(「縄文海進時代の海岸線に考察を加えた記事」、「縄文海進時代よりも前の時代の海岸線を考えた記事」(本記事)、「縄文海進を支える貝塚の分布に関する考察」、「縄文海進を調査中に出会った興味深い言葉」といった内容で、それぞれ記事を記載していますので、併せてご参照ください)
【はじめに:縄文海進から新たな疑問】
本ブログ別記事で、「縄文海進」を取り上げさせて頂きました。発端は、私達夫婦の住まう川越に「貝塚」があったと言う事からでした。貝塚と言えば、「海の近くにあって、昔の人たちが主に食した後の貝等のごみを捨てた場所」と言った理解をしていましたので、海なし県である埼玉の川越に貝塚がある事、なんか不思議な印象を持ち、調べた結果、「縄文海進」と言う言葉に巡り合った次第です。改めてになりますが、縄文海進をWikipediaの力を借り調べてみますと、以下の様にあります。
”縄文海進(じょうもんかいしん)は、最終氷期の最寒冷期後(約19,000年前)から始まった海水面の上昇を指し、日本など氷床から遠く離れた地域で100メートル以上の上昇となり(年速1 – 2センチメートル)、ピーク時である約6,500年前 – 約6,000年まで上昇が続いた(日本では縄文時代)。現在はピーク時から海水面は約5メートル低下した。またピーク時の気候は現在より温暖・湿潤で平均気温が1 – 2℃高かった(略)”、
https://ja.wikipedia.org/wiki/縄文海進
6000年くらい前の日本は、現在の海面よりも5m程高かったとの事です。
(「縄文海進時代の海岸線に考察を加えた記事」、「縄文海進時代よりも前の時代の海岸線を考えた記事」(本記事)、「縄文海進を支える貝塚の分布に関する考察」、「縄文海進を調査中に出会った興味深い言葉」といった内容で、それぞれ記事を記載していますので、併せてご参照ください)
しかし、「たった5m海面が高いだけで、川越付近まで海が来るの?」とまた別の疑問がわき、今度は、地理院の地図の機能で、自身で標高を設定し、色分けできる機能を使い調べてみると、ビックリする地図が浮かび上がってきました。詳細は、別記記事の、”縄文海進”、並びに、(下記)地理院の地図、をご確認頂きたのですが、現在私達が、経済活動を行っている日本の主要都市(=平地)が、ほぼほぼ海の下に消えてしまう結果になったのです。
こんな事を考えながら、地図を見て、縄文海進と言う言葉で、言葉遊びしてみたのですが、同時に、また違った疑問が沸いてきました。それは、「6000年前って、どのくらい昔なの?」と言うものです。現在は西暦2000年を少し過ぎたところですので、6000年前って、本当に昔の話に思えますが、地球の誕生は、46億年程と言われているので、その軸で考えると、「6000年って最近か?」とも思えてしまった次第です。
数字が大きすぎて、中々イメージできなかもしれませんが、「46億円持っている人が、今夜の夕食で6000円使った」と言う言葉に置き換えると、46億と言う数字の大きさを少し理解できる気がして、6000年前の事も最近に感じる事が出来るかもしれません・・・。そう考えると、更に次の疑問が沸いてきます。「6000年よりも前の海面はどの水準だったのか?」と・・・。
【縄文時代よりも前の海面・気温水準】
早速、またもやWikipediaの力を借り、出来るだけ遡って、地球の歴史上、海面・気温がどう変化してきたか調べてみました。Wikipediaの ”過去の気温変化” の項目には、以下の様にあります。
”(略) 氷期/間氷期の顕著なサイクルが始まったのは地質学的には最近のことである。この現在まで続く氷河時代は、およそ4,000万年前の南極での氷河作用の開始と共に始まり、300万年前の北半球の大陸氷床の拡大により、周期を伴った大きな振動を示すようになった。このように徐々に起こる気候の変化は、地球の歴史45億年の間頻繁に起こり、大きな原因としては大陸と海洋の配置の変化がある (略)”
(https://ja.wikipedia.org/wiki/過去の気温変化)
また、同じ項目のグラフ(12000年前からの温度変化+500万年前からの温度変化)を引用させて頂きます。
中々衝撃的なグラフだと思いませんか? それは(緑の丸)、
- つい最近の温度変化が明らかにおかしい事
- 縄文海進の変化と言っても、本当に長いスケールで考えるとそれほど大きな変化ではない
- 300万年前は、今よりも、気温が高かった時期もある様子
と言った所でしょうか?
更に、 6000年前は、現在よりも海面が5mほど高ったと言われているが、 それ以前の勝手な想像をすると(橙の丸)、
- 1万年以上前は、気候変化がかなりあり(気温がかなり低い時もあり)、現在の海面よりかなり(恐らく数十メートル単位?)低い時もあった(古東京川・東京湾海底谷 なんて言葉があるくらいですから:別記事で記載中)
- 数百万年と言う単位で考えれば、現在よりも、数十メートル海面が高かったと言われても、不思議ではない(数百万年単位になってしまうと、大陸の配置すら違うでしょうから、比較はできないと思いますが・・・)
といった事に想像を膨らませせてしまいました。
もっと言ってしまえば、「私達人類は、荒々しい地球の長い歴史の中で、最も幸せな時代に、生きる事が出来ているに過ぎない」と言う事の様です。そう思うと、今この瞬間を大切に、そして少しでも長く地球で生活できる様、努力していななければならないと改めて思た次第です。
【最後に】
上記の様に私自身は感じましたが、皆様はどの様に感じましたでしょうか? 海水面が5m上昇する事は、地球にとっては、小さな変化でも、我々人類にとっては大きな変化で、かつて海の中であった場所は、生活のしやすはあっても、洪水や高潮といった浸水は勿論、地震における揺れやすさ(地盤の強度)にも影響すると言われている様です。
地球のスケール感を感じ、ロマンを感じる事も楽しみ方の1つだと思いますし、こう言った事を感じながら、ポタリングや散策に出かける事も楽しみ方の1つですが(様々な地域のポタリング/散策情報を記載しています)、同時にこういった知識を通じて、災害等に備える実用性も重要な事だと思います。そして、人類の未来に向けて今できる事を、今生きてる人達が、出来る事をする事もまた重要な事だと、改めて思いましたので、皆様もロマンを感じつつ、実用的な行動に、未来も見据えて、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
(「縄文海進時代の海岸線に考察を加えた記事」、「縄文海進時代よりも前の時代の海岸線を考えた記事」(本記事)、「縄文海進を支える貝塚の分布に関する考察」、「縄文海進を調査中に出会った興味深い言葉」といった内容で、それぞれ記事を記載していますので、併せてご参照ください)