江戸東京たてもの園

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【はじめに】

こちらのページでは、名建築からアニメのシーンだけでなく文化と歴史を感じる「江戸東京たてもの園」に関し、展示の建物の詳細な見所(詳細版)に付き、情報提供いたします。

東京の小金井公園内にある、「江戸東京たてもの園」。多くの方がご存じの「歴史的な建物を見る事が出来る野外博物館」として、有名だと思います。野外博物館と言うと、本ブログ別記事で紹介した、愛知県犬山市の「明治村」を、どうしても個人的には思い浮かべてしまい、明治村の方が規模も大きく、展示されている建物も多く、種類も豊富だと思います。

しかし、江戸東京たてもの園は、もっと身近で、「古き良き日本」を残すテイストと名建築の要素の両面があり、あの「千と〇尋の神隠し」における「油屋」もモチーフになったと言われる建物(もう一つの建物のモデルと言われる「四万温泉の積善館」別記事で紹介しております)や、建築家の前川國男氏のシンプルで機能的にもかかわらずデザイン性の高い邸宅二・二六事件の現場となった高橋是清邸と言った建物も拝見する事が出来ますし、昭和の佇まいを連想する建物群もあります

そんな「江戸東京たてもの園」の概要とそれぞれの建物における見所を、以下の通り、2部構成で記載させて頂きます。

本ページでは、「詳細版」を、「(個人的ですが)おすすめ度(★~★★★)」含め記載いたしますので、以下ご参照頂けますと幸いです。

【江戸東京たてもの園の見所 (おすすめ度:★~★★★)】

以下、江戸東京たてもの園のほぼすべての建物に付き、個人的なおすすめ度(★~★★★)と併せてご紹介致しますすべて回るのであれば、少なくとも2時間、普通の感覚でも3時間前後はかかると思いますので、適宜休憩を取りつつ、散策される事をお勧めします。(江戸東京たてもの園その物の基本情報やアクセス情報、スピーディに見学する建物情報等は、「概要/抜粋版」をこちらのリンクよりご参照頂けますと幸いです)

■西ゾーン

・田園調布の家(大川邸) ★★★

大正期の洋風住宅との事で、大きくはありませんが、機能的で、デザイン性も感じられ良く考えられて設計された建物だと思いますご自身で住宅を建てられる際には、ベランダの使い方も含め間取りの参考になるのでないかと思った次第です。

・前川國男邸(まえかわくにおてい)★★★

私達夫婦のお気に入りの建物で、展示されている中で、「この家に住みたい!」と最も思えた建物です。大屋根の中央にある吹き抜けの窓から光が注ぐ様に設計されており、開放感のある居間は、物理的な広さ以上の開放感を与えてくれる設計だと思いました。

・小出邸(こいでてい)★★

大正時代の建築と言われている様で、洋風のテイストに瓦の乗った、和洋折衷の建物だと思い、日本人の豊かな感性を感じる事が出来る建物だと思います。東京都指定有形文化財です。

・常盤台写真場(ときわだいしゃしんじょう)★★

常盤台(板橋?)に建てられた写真館との事で、内部は、シンプルで生活感があり、味のあるものですが、外観はシンプル&おしゃれな建物。「こんな建物が街にあったら素敵だろうな!」と思わせてくれます。尚、目の前には、レトロなバスもありました。

・三井八郎右衞門邸(みついはちろうえもんてい)★★★

貴賓のある外見と、内部の装飾は、東京都指定有形文化財で、目を見張るものがあります木造建築と蔵の両面で楽しめ、「昔お金持ちはやっぱりすごいな…、さすが三井財閥の本宅!」と思える建物です。

・デ・ラランデ邸(で・ららんでてい)★ (武蔵野茶房)

「ヨーロッパのテイストを交えた様な外観」と言った印象を持ちました。1階の白の壁面と2階の赤の壁面のコントラストが美しく、前のデッキでコーヒーを頂戴したくなる建物です。喫茶スペースもありました。

・八王子千人同心組頭の家(はちおうじせんにんどうしんくみがしらのいえ)★★

八王子の千人同心の組頭の家との事で、居住者が、別記事で紹介した日光脇往還(日光千人同心街道)を、日光勤番で移動したと思うと感慨深いものがあります。内部は、「昔の農家の家」と言った印象で、当時の暮らしぶりを想像してしまうものです。

・綱島家(農家)(つなしまけ)★★★

江戸時代中期の農家の家との事ですが、囲炉裏のある居間は非常に味があり、古民家住宅として、住んでみたいと思える魅力がありました。

・吉野家(農家)(よしのけ)★★

綱島家同様、江戸時代(こちらは後期のようですが…)の建物と言われている様です。旧武蔵野郷土館時代からの展示物との事で、展示物としても半世紀以上の歴史がある様で、小金井市指定有形文化財です。同じ農家の建物とは言っても、風格ある玄関は格式を感じさせてくれる建物です。

・奄美の高倉(あまみのたかくら)★

知識の乏しい私達夫婦には、最初「立派な東屋」に見えてしまいましたが、奄美大島に起源を持つ高床式の倉庫との事です。「屋根裏の倉庫」がメイン用途の様ですが、「その下のスペースがもったいない…」と思ってしまったのは、私達夫婦だけでしょうか? 尚、吉野家同様、こちらも旧武蔵野郷土館時代からの展示物との事です。

■センターゾーン

・旧自証院霊屋(きゅうじしょういんおたまや)★★

江戸時代初めの霊廟建築との事(3代将軍徳川家光の側室自証院(お振りの方、石田三成の曾孫)を祀ったもの)だそうです。立派なお姿に、思わず手を合わせてしまう程、厳かな雰囲気をまとっている建物です。

・高橋是清邸(たかはしこれきよてい)★★★

明治時代の建築で、二・二六事件で暗殺された高橋是清の邸宅です。写真ではわかりにくいですが、外の景色が少し歪んで見える窓ガラスは味があり、格式高い玄関と建物内部は必見です。この邸宅の二階で高橋是清は暗殺されたと言われている様で、その歴史と共にあった建物と考えると、感慨深いものがあります。目の前には水が流れる庭園もありますので、外観/庭園含めて見学必須の建物だと思います。

・西川家別邸(にしかわけべってい)★

高橋是清邸のお隣には、続きの建物の様な感じで、西川家別邸があります。大正期の建築の様で、質の良い建材は、高級和風旅館を思わせる格式を感じさせます。

・伊達家の門(だてけのもん)★★

こちらの門は、江戸東京たてもの園の中に入らなくても、敷地の外から正面を見る事が出来ます。伊達家の門とは言っても、仙台藩の伊達家ではなく宇和島藩・伊達家の門との事です(別記事で、現存12天守の宇和島城を紹介しております)。ただ、大正時代の建築の様で、正式には「伊達侯爵家の門」と言う事でしょうが、片番所を従えた門は、大名の門の格式を備えたものです。

・会水庵(かいすいあん)★

大正期の茶室建築だそうです。茶室なので大きさはありませんが、それを補うだけの品格を感じさせてくれます。露地庭園とセットでご見学ください

■東ゾーン

・万世橋交番(まんせいばしこうばん)★★

レトロで味のある大谷石(?)とレンガ作りの交番は、今の街にもあってほしいと思える建物です。この建物があるだけで、安心感がある気がします。

・皇居正門石橋飾電燈 / 上野消防署(旧下谷消防署)望楼上部 / 都電7500形  ★

上記、万世橋交番前の通り沿いには、皇居正門石橋飾電燈 / 上野消防署(旧下谷消防署)望楼上部 / 都電7500形 といったオブジェ的要素の展示も見る事が出来ます。それぞれ見ていると、「今の街中の風景よりも、これらのがある街の風景の方が洗練された雰囲気が出るのでないか?」と思ってしまいます。特に都電の車体は、明治村みたいに園内を走らせてほしいと思えるものでした。

・天明家(農家)(てんみょうけ)★★★

江戸時代後期の建築の様で、旧武蔵野郷土館時代から展示されている、小金井市指定有形文化財だそうです。名主役を務めた旧家の家との事ですが、立派な門に、茅葺に破風の付いた屋根、畳敷きの内部は、「名主ってすごい人なんだな…」、「こういうのを豪農の家と言うのか…」と感じる事の出来る建物です。

・村上精華堂(むらかみせいかどう)★★

個性的で、モダンな外観が特徴的な建物です。昭和の初めの頃の建物との事ですが、「今、街中にあるとかえってモダンに思えるだろう」と思わせてくれ、川越の大正浪漫夢通りを連想させる建物だと思いました。

・丸二商店(荒物屋)(まるにしょうてん)★★

昭和初期の建築との事で、銅板で装飾された外壁は、シンプルですが、1階上部の波の様な模様と2階部分の斜めに銅板を張り合わせた装飾は動きがあり、見ていて飽きの来ない印象を与えるものだと思います。

・植村邸(うえむらてい)★

丸二商店同様、こちらも昭和初期の建築と言われている銅板で装飾された建物で、青光りした銅板は風格と歴史を感じさせるものです。

・大和屋本店(乾物屋)(やまとやほんてん)★

同じく昭和初期の建物ですが、間口に対し背の高い形状は、独特な個性を感じられる木造建築で、入口右手にある出店的な窓口は、ノスタルジーを感じさせてくれます。

・花市生花店(はないちせいかてん)★

やはり昭和初期の建造物で、長方形の形は、昭和の商店街の雰囲気を感じさせてくれます。石と銅板のバランスが取れたデザインで、3階部分の丸窓がかわいらしさをを演出している様に感じました。

・武居三省堂(文具店)(たけいさんしょうどう)★★★

ジブリファンなら外してはいけない建物です。特徴的なのはその内部。文房具屋さんだったと言われるその内部は、正に釜爺が出てきそうな雰囲気で、モデルになったのも納得できるはずです。同じく昭和初期の建築の様です。また、お隣にうどん屋さんもありました…。

・川野商店(和傘問屋)(かわのしょうてん)★★

内部は、昭和初期の和傘問屋の様子を再現している様ですが、建物は大正時代の物との事の様です。出桁造りの重厚さを感じさせる建物で、和傘制作の過程を説明した展示と併せて見学できます。

・万徳旅館(まんとくりょかん)★★

江戸末期から明治初めの頃の建物で、内部は昭和中期の様子を再現しているとの事ですが、「時代劇でよく見る旅籠」の印象を持ちました。広い間口の建物で、内部も広く、通り抜ける事が出来、隅々まで見学する事が可能です。

・小寺醤油店(こでらしょうゆてん)★★

昭和初期の建築で、出桁造りの構造と木の看板が目を引く、味のある建物です。店内は、昭和中期の様子を再現しているそうで、懐かしい「瓶の醤油の容器」等もあり、ノスタルジーを演出しています。

・仕立屋(したてや)★

明治期の建物で、仕立屋を再現した建物との事です。大きさはありませんが、出桁造りの町家と言う事で、良い雰囲気を醸し出しています。

・子宝湯(こだからゆ)★★★

東ゾーンの主役とも言える建造物で、昭和初期の建築だそうです。内部は、昔懐かしい銭湯その物脱衣所の雰囲気と浴室の壁画は、幼少の頃にたまに行った銭湯を思い出させてくれるもので、本当に懐かしさを感じます。千と〇尋の神隠し・油屋のモデルにもなった言われるこの外観と併せて外してはいけない構造物です。

・鍵屋(居酒屋)(かぎや)★★★

こういった雰囲気の好きな大人、かなり多いと思います。飲食店として営業していないのが残念と思えるほどの雰囲気で、どちらかと言うと狭い店内に心地よさを感じるのは、私だけではないと思います。幕末の建築と言われ、旧武蔵野郷土館からの展示の様ですので、この雰囲気で一杯やりたいと思うのは、当然だと思います。

【最後に】

以上が、名建築からアニメのシーンだけでなく文化と歴史を感じる「江戸東京たてもの園」に関し、展示の建物の詳細な見所に付き情報提供申し上げた「詳細版」になります(「概要/抜粋版」はこちらから)。

古き良き日本を感じる事が出来、名建築にも出会え、アニメの世界を感じる事も出来る「江戸東京たてもの園」。大人も子供も楽しめるスポットだと思いますので、一度脚を運んで見てはいかがでしょうか? また、本ブログの別記事で、付近の小金井・小平の大人散策情報や近くの玉川上水の大人散策情報、少し南にある野川/国分寺崖線の大人散策情報等も記載しておりますので、江戸東京たてもの園だけではなく、これらの周囲も含め、大人散策されると更に面白くなるのでないかと思いますので!

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