【はじめに】
🔗 この記事は、「孫子の教え」に考察を加えた記事の1つです
▶︎【「孫子の教え一覧」（シリーズまとめ記事）】
本日は、「『孫子』の中に出てくる『百戦百勝は善の善なるものにあらず』と言うワードに付き、その意味を抑えた上で、『具体的な例』を『日本史上の出来事』から考えてみたい」と思います(本ブログの別記事で、個人的に選んだ、「孫子の教え一覧」も記載していますので、併せてご参照ください)。
📚本記事で得られる情報📚
✅「百戦百勝は善の善なるものにあらず」の意味・メッセージの理解
✅この「孫子の教え」における具体的な 「日本史上の武将・実例」を考察
いきなりですが、そもそも皆様は、「百戦百勝は善の善なるものにあらず」と言うワード(フレイズ？・センテンス？)、聞いた事ありますか？ かなり有名なフレーズだと思いますので、ご存じの方も大勢いらっしゃると思いますが、私なりの理解を記載すると『「100回戦って100回勝つ」よりも、「戦わないで勝つ」事の方が重要』と言う理解をしています。
では、もう一つ質問させて頂きますと、「なぜ戦わずに勝つ事は、重要なのか？」と言う事です。なんとなく、「戦争(戦)」は、「戦うもの」で、「鮮やかな勝ち方」が、もてはやされるような雰囲気すらありますが、「何故あえて、”戦わないで勝つ” 事の重要性を、孫子は説いたのでしょうか？」
こちらのページでは、そんな個人的印象を持っているフレイズ？(センテンス？)・「百戦百勝は善の善なるものにあらず」に付き、記載させて頂こうと思います。すなわち、「『孫子』の中に出てくる『百戦百勝は善の善なるものにあらず』と言うワード(フレイズ？・センテンス？)に付き、その意味を抑えた上で、『具体的な例』を『日本史上の出来事』から考えてみたい」と思います。
参考 ： 孫子”に関しては、Wikipedia の力を借りますと以下の様にあります。
『孫子』（そんし）は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書。武経七書の一つ。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つである。紀元前5世紀中頃から紀元前4世紀中頃あたりに成立したと推定されている (略)
https://ja.wikipedia.org/wiki/孫子_(書物)
「2500年も前の兵法書」で、「古典の中の古典」と言う事でしょうか？ 勿論、現代版のものしか、私には読む事は出来ませんが、「端的でシンプルな文章は、読む側の状況に応じて、理解でき、自身の考えを巡らせる為のベースとなる、原理原則が書かれた書物」、と言った認識を個人的に持っている次第です。
また、本ブログ別記事では、他の「孫子の教え」につき、「サマリ的に一覧でも記載」しておりますし、「それぞれの “教え” を一歩深堀して記載」もしておりますので、宜しければ、是非ご参照ください！
①「兵は拙速を聞くも、未だ巧久しきを睹ざるなり」、②「風林火山」、③「迂直の計」、④「百戦百勝は善の善なるものにあらず」、⑤「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」、⑥「人を致して人に致されず」、⑦「囲師には必ずかく」、⑧「正を以って合し、奇を以って勝つ」、⑨「勝兵は鎰を以て銖を称るがごとく」、⑩「先ずその愛する所を奪わば、即ち聴かん」、⑪「善く戦う者は、これを勢に求めて、人に責めず」、⑫「呉越同舟」、⑬「軍を縻す」、⑭「兵を形すの極は無形に至る」、⑮「死地に陥れて然る後に生く」、⑯「君命に受けざる所あり」、⑰「爵禄百金を愛んで敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」
【「百戦百勝は善の善なるものにあらず」のメッセージは？】
上記、『「100回戦って100回勝つ」よりも、「戦わないで勝つ」事の方が重要』と言った記載をさせて頂きましたので、「そのフレーズ(センテンス？)に関する個人的理解」からはじめさせて頂きます。
とは言っても、恐らく多くの方は、もう既に「その回答」をご存じだと思います…。つまり、決して「道徳的観点」からだけではなく、「戦わないで勝った方が、戦って勝つより『得』だから」という事です。勿論、「戦で負ける事」が、「最も避けなければいけない事」ですが、「例え勝った」としても、その代償(「人の命」や「金銭的な影響」・「信頼の損失」等…)が大きすぎるのであれば、「勝つ意味がなくなてしまう…」という事だと理解しているという事です。これは、考えてみれば「当然の事」で、「実際に開戦」してしまう事で、「敗者のみならず、勝者であっても、無傷でいられる事は、ありえない…」という事だと理解している次第です…。
故に、「実際の大きな戦い(戦闘その物)」は、なるべく避け、「戦わないで勝つ事の重要性」が出てくると言う事になる認識ですが、もう一歩踏み込んで、私なりの理解をさせて頂くと、『孫子の言っている事は、「物理的な戦い」の事を言っているだけではなく、「物理的な戦いになる前に、頭脳で戦う」と言っている』と私は認識しています。言い換えれば、単に「戦ってはいけません！」と言っているのではなく、「兵法家の孫子」ですから、『「戦うべき」際には、出来るだけ「物理的戦闘」ではなく、「頭脳で戦う必要がある」』という事を言っていると言った理解をさせて頂いているという事になります。
では、この「百戦百勝は善の善なるものにあらず」フレーズから、「日本史上の実例として、何か思い浮かぶか？」と言うと…。皆様は、そんな戦い方をした、「日本史上の戦・武将」って何か思い浮かびますか？ 私の場合、(個人的な選択である事否めませんが)近いものがあると思っているのは、「小牧・長久手の戦い」と思っている次第です。故に以下、「小牧・長久手の戦い」に付き、記載させて頂こうと思います。
【「百戦百勝は善の善なるものにあらず」から連想する日本史上の武将は？】
改めて、私の脳裏に真っ先に思い浮かんだのが、「豊臣秀吉 vs 徳川家康の戦い」における、「秀吉の戦い方」で、つまり「小牧・長久手の戦い」です。この戦いで、「局地戦」とは言え「家康が勝利」を収めるも、その後「秀吉は、戦いの場を戦場から外交交渉に」切り替え、最後には、自身の姉や母親まで、家康に人質として預ける所までの「交渉」を行い、ついには、「家康を大阪に引きづり出してしまった」訳です…。言い換えますと、『「秀吉」は、「物理的な戦闘が必要な戦場での戦い」から「頭脳で戦う必要がある交渉での戦い」に切り替えて、「家康」を配下に加えた』と言った理解をしているという事です。
小牧・長久手の戦い 長久手古戦場の様子とMAP
そんな「秀吉の戦い方」を、他の戦でも見てみると、「備中高松城の水攻め」や、天下統一を成し遂げた「小田原城を包囲」等、「極力戦闘その物を避けて、戦を進めている節」がある気がする次第でもあります。「黒田官兵衛の力」による所も大きいのかしれませんが、「それを使いこなし、天下統一を成し遂げた秀吉」は、「天下を取るべくして取った」様に思えてきます(黒田官兵衛・竹中半兵衛の両兵衛（りょうべえ）の逸話も別記事で紹介しております)。もし「自身が同じような立場」に置かれたら、絶対にその様な「思考回路」にならない気がしますので、「秀吉と言う人は、やっぱりすごかったんだ…」と改めて思ってしまった次第です…。
備中高松城の様子とMAP
しかし、そんな「秀吉」も、最後は「朝鮮」に対し、「物理的で大変大きな戦」を仕掛けて行き、その途中で、結果を見届ける事なく、亡くなってしまった訳です…。その代償は、皆様のご承知の通り…。「秀吉」も、年齢と共に「思考回路が変わって(衰えて)しまったのか？」、「短気になってしまったのか？」、「これしか方法がなかったのか？」等々、色々考えてしまいますが、今となっては、秀吉の心内を知る事が出来るはずもありません…。ただ、私が思うのは、「やはり物理的な戦闘は、避けるべきだ…」と言う事くらいですが、皆様はどの様にお感じになられますでしょうか？
名護屋城の様子とMAP
【最後に：「百戦百勝は善の善なるものにあらず」から何を学ぶ？】
以上が、「『孫子』の中に出てくる『百戦百勝は善の善なるものにあらず』と言うワード(フレイズ？・センテンス？)に付き、その意味を抑えた上で、『具体的な例』を『日本史上の出来事』から考えてみた」内容になります。
上記の様な、勝手な考察をさせて頂きましたが、皆さまはどう思われましたでしょうか？ 「百戦百勝は善の善なるものにあらず」、今日も多くの戦争が世界で起こっていますし、日本も「かつて大きな間違い」をしてしまったと思います…。「物理的戦闘は、あくまでも最終手段」です。「最終手段は、 “最終”」なので、その後はなく、「最終手段を取った段階で終わってしまう事 / 物」が、数多くある事を、改めて認識しないといけないと思ってしまいました…。言い換えますと、「孫子」で書かかれている内容が、作者の意図したものか否かは別にして、2500年前に、「孫子で指摘されていた事」が、現代においても、尚「大きな示唆を持つ物」だと再認識した次第です…。
(本ブログの別記事で、個人的に選んだ、「孫子の教え一覧」も記載していますので、併せてご参照ください)
小田原城MAP
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尚、本ブログ別記事では、他の「孫子の教え」につき、「サマリ的に一覧でも記載」しておりますし、「それぞれの “教え” を一歩深堀して記載」もしておりますので、宜しければ、是非ご参照ください！
