【はじめに:玉川上水の基本情報】
こちらの記事では、玉川上水の③玉川上水駅~小金井公園間の大人散策情報を紹介致します。
本ブロブでは、⓪玉川上水の概要/基本情報(抜粋版見所情報)、①羽村堰~拝島駅、②拝島駅~玉川上水駅、③玉川上水駅~小金井公園、④小金井公園~暗渠入口、⑤暗渠入口~玉川上水水番所跡(新宿御苑付近)をそれぞれ記載していますので、皆様のニーズに合わせそれぞれのページにて詳細ご確認頂きたいのですが、こちらのページでは、③玉川上水駅~小金井公園間に絞って記載いたします。
そもそも玉川上水は、皆様ご承知の通り、江戸に幕府が開かれてから、急速に人口が増えた江戸の街に、有名なところでは、神田上水等により何とか補っていた水の確保が更に必要になり、江戸時代の初め東京の西にある羽村から多摩川の水を江戸市中に引き込むために作られた人口の用水路ですよね。
そんな玉川上水に関連する話は色々とあると思います。「奇跡の勾配」と言われる2パーミルの勾配、「水喰らい土」と呼ばれれる関東ローム層の地質、江戸市中だけなく、「野火止用水」として、現在の埼玉(新座・志木)にも水を共有した(別記事にて、野火止用水の散策情報も記載しています)、等々・・・、色々な話があります。これらの情報は、⓪玉川上水の概要/基本情報(抜粋版見所情報)にて記載していますので、そちらをご覧いただき、こちらの記事では、③玉川上水駅~小金井公園間の大人散策情報を以下に紹介して参ります。
【大人散策(散歩)には、最適なコース “玉川上水”】
今回ご紹介するコースの総距離は、10㎞ちょっとの行程になると思われます。西武拝島線の玉川上水駅から目の前の玉川上水に沿って歩を進め、小金井公園付近の小金井橋まで来たら、玉川上水の散策を一旦終了にして、西武新宿線の花小金井駅に向かうコースです。
玉川上水駅の目の前には、その駅名通り、玉川上水が流れていますので、玉川上水駅を出た瞬間から大人散策開始です。
・野火止用水への分水/上水小橋
スタート地点は、玉川上水駅。駅を南側から出ますと、目の前に玉川上水が流れていますので、早速散策開始です。かつて、玉川上水と野火止用水の分岐点であった小平監視所(旧称:小平水衛所)がすぐ出てきますので、これを横目に見つつ、歩を進めると現在の分岐点(玉川上水と野火止用水の追分と言っても良いと思います)があり、更に玉川上水の方に一段下がって水辺まで行ける橋があります。上水小橋です。
実際にはそうではありませんが、水が湧きだしているようになっており、清流感を味わう事が出来ます。尚、Wikipedia の玉川上水のページ内には以下の様にあります。
(略)中流部 (小平監視所から浅間橋まで)
東京都の清流復活事業に従って処理水を流している区間である。古くからの樹木がよく茂り、豊かな木立に覆われている箇所が多い。小平監視所より下流は、かつては多量の水が淀橋浄水場まで送られていたものの、1965年(昭和40年)の同浄水場廃止とともに送水を停止し、以降は水道施設としての利用はない。その後、長く“空堀”状態であったが、1986年(昭和61年)、都の策定した「清流復活事業」により水流が復活した。昭島市宮沢町にある多摩川上流水再生センターにて高度二次処理を施した下水が、このために送水されてきている。(略)
https://ja.wikipedia.org/wiki/玉川上水
また、同じくWikipedia にて、「清流復活事業」を調べてみますと、には以下の様にあります。
(略)昭島市内にある多摩川上流水再生センターにおいて高度二次処理を施して再生した下水を送水し、小平監視所(玉川上水駅近傍)直下にて玉川上水へ、またやや東方地点(東大和市駅近傍)から野火止用水へと放流している。(略)
https://ja.wikipedia.org/wiki/清流復活事業
昔とは違いますが、その光景を思わせてくれるこういった事業は、ありがたいものだと改めて思った次第です。
・小平・村山・大和衛生組合 こもれびの足湯
玉川上水駅からのスタートですと、歩き始めの為まだ必要ないかもしれませんが、反対の小金井方面から玉川上水を下流から上流に、玉川上水駅を目指して散策される際は、ほぼ散策終了のポイントにこの足湯がありますので、こちらで疲れを癒し、ご帰宅されても良いのではないかと思います。またこれは、別記事で紹介しております野火止用水の散策に置いても同様の事が言えますので、「玉川上水駅を目指して、玉川上水 or 野火止用水を散策する際、ゴールに近いポイントにある足湯」と言った感じで、頭の片隅に情報をインプット頂けると有益な情報になるのでないかと存じます。
・新堀用水 胎内堀坑口
こもれびの足湯から、数百m流れに沿って、玉川上水の左岸を下ると、「新堀用水 胎内堀坑口」が出てきます。「新堀用水は、玉川上水に舟を通すため、小川用水等いくつかの分水口をふさいで、新堀用水に統合した水路」、と理解しています。そして、その際に行われた工法が、「胎内堀」という方法で、「縦穴を何か所か掘り、それらの穴から地下で横に掘り、それぞれつないていく工法」と理解しています。現在は、草に覆われ、柵に囲まれていますが、縦穴を見る事が出来、その先にはその掘削した穴を通って流れ出てくる流れも、まじかで見る事が出来ます。
この流れは、しばらくの間、玉川上水と並行して流れていき、玉川上水の中で、最も木々が生い茂っているエリアを形成しています。周囲には、不自然にマンホールでふさがれた井戸の様な物もあるので、こちらも同じく縦穴跡ではないかと思われますので、周囲を観察しつつ、でも足元に気を付けつつ、自然を楽しみながら、歩を進めて頂ければと思います。また、基本情報の確認を踏まえて、Wikipedia で、小川用水を調べてみますと、以下の様にあります。
(マンホールの写真は、野火止用水との分かれてすぐにありました)
小川用水(おがわようすい)は、東京都小平市を流れる玉川上水の分水のひとつである。小平市中島町にある小川橋付近で分水している。
歴史:小川用水は1657年に造られた。1870年、玉川上水に通船が実現したことにより、小川用水の他、6つの分水が統合され、新堀が造られた。今日では、多くの分水が廃止になっているが、福生・熊川・拝島・柴崎・砂川・小川の6分水には玉川上水を経て流れている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小川用水
・きつねっぱら公園
新堀用水 胎内堀坑口を過ぎ、玉川上水の流れを右に、新堀用水の流れを左に見ながら進むと、きつねっぱら公園が出てきます。小休止には良いと思いますので、参考まで紹介致します。ちなみに、入口のオブジェ、かわいらしいです!
・鎌倉橋
上記にも記載しましたが、この付近は、玉川上水の中でも、最も木々が生い茂っていると思えるエリアで、新緑・紅葉共におすすめのスポットです。そんな中ですが、見つけてしまったのが、鎌倉橋。本ブログで、何度も登場している、「どこに行っても出てくる鎌倉街道」につながる橋で、その名も鎌倉橋。地図で見て頂いた通り、北側に「鎌倉街道」が続いております。
しかし、この鎌倉街道、真南直線3㎞程の所に、「武蔵国分寺跡・東山道武蔵路跡」があるのです。また、北に延びる鎌倉街道をそのまま2-3㎞程直線で北上すると、野火止用水の大人散策情報で紹介した、「九道の辻」があるのです。そう考えると、『元々は、「東山道武蔵路」だった道がここを走っていて、時代とともに「鎌倉街道」に名前が変わって行った』と仮説を立てる事も出来、その位置関係からすると、別記事で取り上げております、鎌倉街道上道。本当にこの道か否かは不明ですが、この付近を通っていた事は間違えないと思います。
・いろりの里(レストラン) / 小川水衛所跡
上記、鎌倉橋から流れに沿って、進んだ次の橋・小松橋の袂(右岸)に「いろりの里」というレストランがあります。ただまだお邪魔した事がないので、内部情報無いのですが、中々良さげなレストランに見え、次回の散策における、昼食 or 夕食に組みこもうと思っている次第です。まだ、入口の竹林とモミジのコントラストが美しいので、食事はせずとも、紅葉の季節には、脚を停めて頂きたいスポットです。
また、そのいろりの里から、更に数百m進むと、小川水衛所跡が出てきます。水衛所とは、玉川上水の管理の為、職員(=水衛)が常駐していた場所と理解していますが、現在では木々と水の流れをまじかで感じる事が出来るスポットになっております。傍らには、モミジやイチョウの木があり、紅葉の季節は、特に美しいスポットだと思います。
・平櫛田中彫刻美術館
小川水衛所跡のすぐ下流に(左岸)には、平櫛田中彫刻美術館があります。何度も散策している玉川上水ですが、こちらを知ったのは、数年前。散策途中に看板を偶然見つけ、お邪魔させて頂きました。日本近代彫刻界の巨匠、と言われた彫刻家、平櫛田中氏の作品を拝見する事が出来ます。彫刻でここまで写実的な作品は見たことがなく、感動に近い感情を抱いた事、記憶しております。また、建物・庭園も素晴らしく、散策中の清涼感を味わいたい大人には、うってつけのスポットです。(内部の写真は控えさせて頂きました為、看板と外観のみの写真です)
・海岸寺
平櫛田中彫刻美術館から、3㎞程の左岸の下流、小金井公園の直ぐ近くに、海岸寺があります(この間いくつか、興味深い橋はありますが、こちらは下記をご参照ください)。こちらのお寺も、つい最近まで存じ上げませんでしたが、つい先日の散策で初めて出会う事が出来、お邪魔させて頂きました。こちらでの見所は、入口の山門と、境内にある見事な松。裾が広く、かなり立派な松なのですが、樹齢の記載を見つける事は、出来ませんでした。門前の玉川上水沿いには、明治天皇の「行幸松」がありますが、海岸寺の松も立派ですので、是非お立ち寄りください(玉川上水と海岸寺の間には、五日市街道が走っていますので、車にはお気を付けて!)。
・行幸松と行幸松の碑 / 名勝 小金井櫻の説明看板
明治天皇が、小金井の玉川上水で有名な桜をご覧になるべく行幸された際、地元の有志が植えたと伝わる松が、「行幸松」です。海岸寺の裾の広い松も見ごたえありますが、こちらのノッポな松も見ごたえあります。行幸松の直ぐ脇の石碑と共に、ご覧ください。また、この行幸松の直ぐ傍らに、名勝 小金井櫻の説明看板もあります。江戸時代、8代将軍吉宗の命により、玉川上水の両岸6㎞程にわたり植えられたそうで、江戸時代の桜の名勝だったそうです。現在も桜が植えられていますが、若い木も多く、まだ「江戸時代の景色を復活!」とまでは行っていないと思いますが、桜の季節は見事の一言。数(十?)年後には、江戸時代の景色の復活となるでしょうから、年々見事になっていくその景色を毎年の楽しみにしたいと思います!
・桜町遊歩道
行幸松と行幸松の碑 / 名勝 小金井櫻の説明看板の所で、小金井橋になりますので、一旦今回の玉川上水大人散策は終了にし、西武新宿線の花小金井駅に向かいます。ただその際通って頂きたいのが、桜町遊歩道。雰囲気のある遊歩道で、入口ではどなたが面倒みているのかわかりませんが、服を着た雀のオブジェがお出迎えしてくれます。この遊歩道から小金井公園出て、公園を南北に貫き(小金井公園内の江戸東京建物園に寄り道しても良いと思います)、花小金井の駅に到着してこのコースは終了になります。
・道々の橋
今回のコースは、上記の紹介で終了ですが、道々の散策で気になった、「いくつかの橋」を以下に紹介します。
玉川上水には、多くの橋がかけられており、車も通れる橋もあれば、歩行者専用の橋も多くかかっています。その中で思ったのは、「昔からかかっていると思われる橋の名前は、重厚感があり、説明看板が添えられている事が多い」と言うものです(すべてではないでしょうが…)。それらの橋を、気付いた部分のみですが、順に上流から記載しますと、百石橋・鷹の橋・久右衛門橋・鎌倉橋・八左衛門橋・喜平橋・茜屋橋・小金井橋です。以下写真、地図に記載しますので、ご参照ください。
・オープンガーデン・喫茶
上記、「道々の橋」も気になりましたが、「オープンガーデンや喫茶」が多い事(特に野火止用水との分水ポイントから新堀用水 胎内堀坑口の区間)も気になるポイントです。以下に散策中に取得しましたマップと写真を共有しますので、大人散策の参考情報として、ご活用頂けますと幸いです。
【最後に】
以上が、玉川上水の「③玉川上水駅~小金井公園間」の大人散策情報の紹介になります。
学生時代、武蔵小金井付近に住んでいた事もあり、玉川上水は、自然を感じる事が出来るお気に入りの場所で、川越に移ってからも、玉川上水沿いの散策は、何度もさせて頂いているスポットです。東京の中にあって、自然をこれほどの距離にわたって、感じられる散策路はほかにあまりないと思っています(勝手に思っているだけかもしれませんが・・・)。
「自然や文化」を感じながら、また玉川上水の「水の流れとそこに生きてきた人達の営みや困難を克服する創意工夫」を感じる事が出来る、大人散策には、うってつけの場所だと信じています。
別記事にて、⓪玉川上水の概要/基本情報(抜粋版見所情報)、①羽村堰~拝島駅、②拝島駅~玉川上水駅、③玉川上水駅~小金井公園、④小金井公園~暗渠入口、⑤暗渠入口~玉川上水水番所跡(新宿御苑付近)、に付きそれぞれ大人散策情報を記載いたしますので、是非皆様も玉川上水の歴史に思いをはせつつ、自然を感じつつ、大人散策してみてはいかがでしょうか?
また、玉川上水駅付近で、玉川上水から分岐している、野火止用水沿いを、志木まで2回に分けて実施した大人散策の情報も共有させて頂いておりますので、宜しければ併せてご参照ください。
以下、Googleマイプレイス(マイマップ)で作成した地図を、アプリ・GogleMpsで、位置情報をONにしてスマホでご利用頂くと、紹介したスポットを、自身の位置確認しつつ大人散策する事が出来ます!