韮崎

【基本情報:七里岩とは?】

皆様は、七里岩って聞いた事ありますか? ご存じですか?

八ヶ岳の南、長野の富士見町・山梨の北杜市から韮崎へ延びる台地」の事を七里岩と言います。北から南へ延びるその台地は、東に塩川、西に釜無川があり、それぞれの川の面から見ると、数十mの崖が長く続いており、幼少の頃、七里岩の上に住んでいた私は、七里岩の下に自転車で降りたら最後、必死の思いで登り、ヘトヘトになって帰宅した思い出が、何度もあります…。

ご存じの方もいらっしゃる思いますが、アニメ・スーパーカブの主人公、小熊が住んでいた日野春駅付近は、七里岩の上で、通っていた学校(武川)は、七里岩の下になるので、土地勘のある私からすると、行きは良くても、帰りはかなりきつく、「高校生であっても自転車で毎日は半分修行だなと思ってしまう感じです。

そんな七里岩、Wikipediaを調べてみますと、以下の様にあります。

七里岩(しちりいわ)は、山梨県の峡北地方にある台地広義には、長野県諏訪郡富士見町から、山梨県の北杜市の小淵沢町、長坂町、大泉町、高根町と須玉町の一部を経て、韮崎市の中心地まで達する台地のことを指す。 

概要  

約20万年前に発生した八ヶ岳の山体崩壊による韮崎岩屑流(または韮崎泥流、韮崎岩屑なだれ)と呼ばれる岩屑なだれが形成した平坦地を、西側の釜無川と東側の塩川によって侵食崖を形成したものが七里岩である。(略) この山体崩壊した土砂の体積は約10 km3と推定されており、日本最大規模の岩屑なだれである (略)  

伝承  

南北の長さが30km(約7里)にも及ぶので、七里岩という美称がつけられたとされる。(略) 台地の形が舌状であり「韮」の葉に似ているので、その先端部のある地域を「韮崎として、韮崎市の地名発祥のひとつになったとされる。(略)  

歴史   

台地北部は湧水に恵まれ、長野県富士見町の井戸尻遺跡、山梨県北杜市(旧北巨摩郡大泉村)の金生遺跡、同市長坂遺跡(旧同郡長坂町)、韮崎市の坂井遺跡・坂井南遺跡など縄文時代の遺跡が数多く分布する。平安時代後期に甲斐国には甲斐源氏の一族が進出し、韮崎には武田氏が拠り、北杜市大泉町の谷戸城などこの時期の中世城郭や砦が分布する。戦国時代には戦国大名となった武田氏が信濃侵攻を行う中継地点にもなり、武田勝頼の時代には現在の韮崎市中田町には新府城が築城され府中の移転が試みられ、新府城は台地の残丘を利用している。  

また、武田氏の滅亡後に甲斐・信濃の武田遺領を巡る天正壬午の乱の舞台にもなり、韮崎市穴山町にはこの事件に関係する城郭として能見城がある (略) 

https://ja.wikipedia.org/wiki/七里岩

日本最大規模の岩屑との事で、30㎞にも及ぶという地形で、甲斐武田家との関りも深く、信濃攻略の為の信玄棒道武田家最後の居城・新府城址が七里岩の台地の上にあると言う理解で宜しいのではないかと思います

【八ヶ岳は、富士山よりも高かった?】

上記に、「約20万年前に発生した八ヶ岳の山体崩壊による韮崎岩屑流(または韮崎泥流、韮崎岩屑なだれ)と呼ばれる岩屑なだれが形成した平坦地を、西側の釜無川と東側の塩川によって侵食崖を形成したものが七里岩である。(略) この山体崩壊した土砂の体積は約10 km3と推定されており、日本最大規模の岩屑なだれである」とありますが、逆に考えると、「八ヶ岳って、これだけの規模の山体崩壊をしなかったら、どれくらいの高さだったの?」と思ってしまう方もいらっしゃると思います

はっきり言って、今となっては分からない部分もあると思いますが(ある研究では、「3000m半ばは間違えなくあった」との話も聞いた事はありますが…)、幼少の頃に読んだ「富士山よりも高かった」と言う内容の民話を思いだします。その内容は以下です。

昔、富士山と八ヶ岳は、「私の方が高い」とお互いが言い張って喧嘩していたので、空から神様が来て、富士山・八ヶ岳の双方の頭に樋を渡し、水を中心に流した所、水は富士山の方に流れた(=八ヶ岳の方が高かった)。しかし、納得できない富士山は、実力行使に出て、八ヶ岳の頭を殴り、結果八ヶ岳の頭が割れ、今のデコボコの形になってしまった。

ウン十年前の記憶なので、曖昧なところはありますが、上記のストーリーだった記憶です。しかし、八ヶ岳の大泉・清里付近からは、富士山の姿が良く見え、これを見ていると、「そうだったのかも…」と思えてしまう感じになり、「よく考えられた民話だなー」って思えてしまうのは、私だけではないと思います。

また、民話の世界に入って、現代の状況を踏まえつつ、別の見方をすれば、「七里岩は、富士山が八ヶ岳に殴り掛かった物的証拠」とも思え、更に、韮崎にある七里岩の突端には、平和観音がいらっしゃり、富士山と八ヶ岳がまたケンカしない様に見守っているとも思え、また違った見え方が出来る事、楽しい限りです。

【七里岩を大人散策!】

別記事で、韮崎の大人散策情報北杜市の大人観光スポットを紹介していますので、そちらも参照頂ければと思いますが、以下に七里岩に関連する大人散策スポットを紹介致します。

・平和観音

韮崎駅の目の前、七里岩の突端に、白くて大きな観音様がいらっしゃいます。そこからの眺めは抜群で、七里岩の高さを感じる事が出来ると同時に、晴れていれば富士山もくっきり見えます。七里岩の下には、窟観音で有名な、雲岸寺もあり、七里岩をトンネルに掘った参道もありますので、併せてご参照ください。

・新府城址/桃源郷(桃畑)/能見城祉

武田家の最後の居城、新府城も七里岩の上にありました。春先(通常3月中旬~4月中旬位)には、桃畑の桃の花が咲き、正に桃源郷。大人散策には最適な環境です。また、新府城の北3㎞弱の場所には、能見城址(ちょっと中を歩くのは大変な感じですが…)もあるので、位置関係も含め回られてみてはいかがでしょうか?

・徳島堰取水口付近からの眺め

能見城址からは、一旦、七里岩を下り、下から七里岩を眺めてみてはいかがでしょうか? 徳島堰の取水口付近やその少し下流からは、七里岩をしっかり鑑賞でき、八ヶ岳や富士山とセットで、七里岩を鑑賞する事が出来ます

・野猿返し

徳島堰からは、現在の甲州街道を長野方面に進み、武川と言う地域の「牧原」の交差点を右折し、日野春駅方面を目指します。この道は、上記でも少し触れました、アニメ・スーパーカブの主人公の通学路になる認識です。「牧原」の交差点から釜無川を過ぎたすぐ近くに、狭いですが、駐車場があります。そしてここから数百m登ると、「野猿返し」の看板が左手に出てきます地元では、この武川から日野春駅に向けて七里岩を登る道を、通称「野猿」と言い、舗装された道と、昔からの道だと思いますが、七里岩を徒歩でしか通れない山道が続いている道もあります。是非七里岩上の日野春駅まで歩いて頂き、七里岩を実感頂きたいですが、距離もありますので、途中まででも行って頂くだけでも、七里岩の斜面の急さを実感できると思います

・三分一湧水

野猿返しからは、再度、七里岩をの登り八ヶ岳方面に進みます。10~15㎞程あると思いますので、車で20~30分位の距離ですが、三分一湧水に向かいます。上記、新府城址付近は、「桃畑がある=水が豊富とは言えない地域」なのですが、八ヶ岳の袂までくると水の豊富なエリアで、美しい湧水を見る事が出来ますこの三分一湧水は、周囲の村の水の争いを治めるべく、武田信玄が湧水を3方向に均等に分ける様にした事から三分一湧水と言われており、現在では、湧水の流れを一旦池の様な場所に溜め、三角形の石を中央に配置し、3つの方向に均等に流れ出るよう工夫がされています。この設備そのものが、信玄の時代からあったとは、思いませんが、信玄堤で治水事業を行った信玄が、この地でも、規模は違い、内容も違うが、治水を行っていると思うと、歴史的な側面に考えを巡らせてしまうスポットです

・信玄棒道

上記、三分一湧水からもう少し八ヶ岳を登った方には、小淵沢方面にやはり武田信玄が信濃攻略の為に整えたと伝わる「信玄棒道」が続いています別記事で紹介していますので、詳細はそちらをご参照頂きたいのですが、この道は、徒歩のみ散策可能な山道(お馬さんであれば行けますが…)ですが、石仏もいたる所に見られる歴史の道の側面もあり、歴史と自然を一緒に楽しむ事が出来ます

・小海線の大曲

少し、七里岩から離れてしまいましたが、信玄棒道を小淵沢方面に進み、長野県と山梨県の県境付近で、信玄棒道の大人散策を終了し、小淵沢方面に向かいますと、詳細の地図は別途確認頂きたいのですが、小海線を南アルプスをバックに見る事が出来るスポット、「小海線の大曲」に行く事が出来ます。この「小海線の大曲」、七里岩の上にあるので、南アルプスを下から見上げるというより、南アルプスの中腹付近を電車が浮いて走っているような景色が見られるスポットで、短いローカル線が通り過ぎていく様は中々絵になる光景です。多くはありませんが、参らせて頂くとほとんどのケースで、カメラを持った方を見かけるスポットですので、皆様も写真の様な形式を見に脚を延ばしてみてはいかがでしょうか?

【最後に】

以上が、七里岩の概要とその周辺の大人散策情報になります

上記にも記載しましたが、別記事で北杜市の大人観光スポット韮崎の大人散策情報等も紹介しており、今回「七里岩」関連で紹介致しました、上記スポットともかぶっております。その為、七里岩のみの視点であれば、上記のみでも良い気がしますが、折角ですので、七里岩だけでなく、七里岩のある北杜市や韮崎市の観光も含め、回って頂ければと思っております地形的に魅力ある七里岩を、自然と共に、歴史に思いを馳せつつ、是非楽しんで頂ければ幸いです。

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