分水嶺

【はじめに:いつも使っている言葉や地名の隠れた面白さ… (例:落合)】

こちらのページでは、『水』を『分』ける『嶺』こと『分水嶺』に付き、その意味を実感し、『分水嶺押しの観光地』の共有」をさせて頂こうと思います。

今回は、いきなり「分水嶺」なるワードを登場させたので少々説明しますと、「これまでの「お城」や「神社仏閣」と言った感じの記事とは、ちょっと違う切り口で、記載させて頂こうかと思ったという事です。言い換えますと、「日常使っている言葉」や「言い回し」・「標記」・「地名」・「フレーズ」等の言葉を、「地図・地形」や「歴史」と言った違う視点も踏まえ考えてみると、結構面白い事に気づいたと言う事です。

例えば、今回取り上げさせて頂く『水』を『分』ける『嶺』こと『分水嶺』」というワードと「対極的な位置にある『落合』」と言うワードですが、「落合」という橋や地名、更には「落合さん」と言う方もいますが、そもそもの意味は、”落ち合う” と言った理解をしております。では、「何が落ち合うのか?」…。はい、「川(河川・水の流れ)」だと思います。故に、「落合橋」や「地名で “落合”」とつく所を調べてみると…。

まずは、私の地元・川越北隣の川島町をつなぐ、254号線の「落合橋」。入間川・小畔川・越辺川が、”落ち合う” 所にかかる橋です(2019年の台風で堤防が決壊し、水があふれてしまった付近です)。

もう一つぐらい調べてみると、(個人的に)近い所で、直ぐに思い浮かんだのは「東京・新宿の落合」。妙正寺公園内の「妙正寺」から始まる「妙正寺川」と「井之頭公園」(近くを玉川上水も流れていますが)から始まる「神田川」が、”落ち合う” 場所です(まったく話は違いますが、東京都内の小さな川って、面白い所から始まる川が多いですよね…)。

上記川越川島町をつなぐ『落合橋』東京・新宿の『落合』の2つを例に挙げましたが、地図で、”落合橋” と検索すると、日本各地に「橋の名前」や「地域名」・「バス停の名前」等の結果が、多く出て来ます。そして、これらのほとんど(勿論100%ではないと思いますが…)の地域をよく見てみると、「川が落ち合って、合流する所」が近くにあります。つまり、この様な感じで、地図の上で、日常使っている「言い回し」・「標記」・「地名」等の言葉で、少し遊んでみようと思った訳です…。

「暇ですねー」ってコメントが聞こえてきそうですが、「面白そう…」と思ってしまったので、お許しいただき、こちらのページでは、『水』を『分』ける『嶺』こと『分水嶺』に付き、その意味を実感し、『分水嶺押しの観光地』の共有」をさせて頂こうと思います!

【「落合」に対抗して「分水嶺」】

そんな訳で、本日選んでみた言葉が、”落合”とは、反対の部類に入る意味の ”分水嶺” と言う言葉。繰り返しですが、「分水嶺」とは、「『水』を『分』ける『嶺』と理解しています。ただ、ここから生じて、「何か重要な判断をしなければならない、岐路に立った時のようなケース」の時に、”私達は、今、「分水嶺」にいる”、みたいな表現をする事もありますよね…。

そう、この「分水嶺」と言うワード、調べると結構面白いんです。なので、少しWikipedia で得た情報を共有しますと以下の様にありました(「分水嶺」ではなく「分水界」と言う項目でしたが…)。

分水界(ぶんすいかい、英語: drainage divide)とは、異なる水系の境界線を指す地理用語で、山岳においては稜線と分水界が一致していることが多い。分水嶺(ぶんすいれい)とも呼ばれる。古くは水分(みくまり)とも呼称した。山岳だけでなく平地にも点在している

解説
陸では水は高いところから低いところへと流れる。したがって稜線のどちら側に雨が降るかで流れ込む川が変わり、注ぐ海が変わってくる。山岳においてはこのような違いが大変明瞭な形で現れてくるが、一見平坦な地形のところでもこのような営みが行われている
例えば、広島県安芸高田市向原町戸島の「分水界泣き別れ」は平坦な水田の中にある。これより北側は江の川に流れ込んで日本海へ注ぎ、南側は太田川に流れ込んで瀬戸内海に注ぐことになる (略)

もうひとつ平坦な地形での分水界の例を示す。それは武蔵野台地の場合である。武蔵野台地では残堀川や野川、仙川など多摩川水系の河川と、黒目川、柳瀬川、空堀川など荒川水系の河川とが流れている。当然、双方の水系の接するところ、すなわち分水界が存在するわけだが、玉川上水がほぼそれにあたる。最も高いところに上水を通すことで分水を自然に流下させることができ、灌漑面積を効率的に拡大できるのである (略)

中央分水界
中央分水界(中央分水嶺)とは、日本の太平洋・瀬戸内海側と日本海・東シナ海側とを分かつ分水界である (略)
末端以外の中央分水界で最も高度が低いところは、本州では兵庫県丹波市氷上町石生(いそう)「石生新町」交差点付近の標高95メートルである。この最低点の東800メートル付近に「水分れ(みわかれ)公園」があり、公園内で水路が加古川(瀬戸内海/太平洋)側と由良川(日本海)側とに分かれている。日本列島全体では、日本山岳会により中央分水嶺踏査事業が進められた結果、北海道の新千歳空港付近を標高13.7メートルの中央分水界が通っているとされた。一方、最高点は乗鞍岳の3026メートルである (略)

https://ja.wikipedia.org/wiki/分水界

つまり、

「分水嶺」は、「分水界」とも言いい「異なる水系の境界線を指す地理用語」で、「山岳」だけでなく「平地」にも点在しており、平坦な水田の中にある広島県安芸高田市の「分水界泣き別れ」や、武蔵野台地の多摩川水系荒川水系を、ほぼ分ける位置を流れる玉川上水、そして日本の太平洋・瀬戸内海側と日本海・東シナ海側を分ける「中央分水嶺(=中央分水界)」などがある

といった理解をさせて頂いた次第です。まっ、端的に言ってしまえば、最初に記載した通り『水』を『分』ける『嶺』で、考え方(分ける先?)次第で、日本中にあるとも理解した次第ですが…。

そして、上記引用で出てきた「地理用語:分水嶺」の中で、ちょっと気になってしまったのが、中央分水嶺。私なりの理解は、日本の陸地に振った雨が、太平洋側に流れるのか、日本海側に流れるのかの境目のと言う理解をしました。多摩川水系になるか、荒川水系になるかをほぼ分ける武蔵野台地の玉川上水も気になりましたが、太平洋側 or 日本海」を分ける「中央分水嶺」は、そのスケール感を踏まえると、その言葉の意味の重さを感じてしまった次第です。だって、雨の降った場所が、数メートル(もしかしたら数センチ?)違っただけで、太平洋側 or 日本海」を分ける訳ですから…。

そんな状況下、山梨県北杜市出身、埼玉県川越市在住の私にとって、この言葉の例として思いついてしまったのは「埼玉・長野・山梨の3つの県の境になる、甲武信ヶ岳。標高2500mくらいの山で、山梨県民からすると若干高め位の山ですがで州(=山梨県)、州(=埼玉等)、州(=長野)の3つの境なので “甲武信ヶ岳” と言う」と、子供の頃教わった記憶があります(どこまでホントかわかりませんが…)。この甲武信ヶ岳と分水嶺の関係ですが、以下地図の通り、甲武信ヶ岳を中心に『北東方面に降った雨は「荒川」』となり、秩父川越を流れ『東京湾』に注ぎます。また『北西側に振った雨は「千曲川」』となり、小諸上田松代長野を流れ、新潟信濃川と名前を変え『日本海』にそそぎます。そして『南側に降った雨は、笛吹川(石和温泉よりも上流の坐忘山縣館と言った温泉宿を紹介中)となり』、石和温泉(ホテル春日居富士野屋を紹介中)の南を流れ、甲府の南で釜無川と ”落ち合った” 後、『富士川』と名前を変え、静岡で『太平洋』に注ぎます。

改めて、「もしかしたら、ホンの数メートル(もしかしたら数センチ)の降った場所の違いで、太平洋側に流れるのか、それとも日本海側に流れるのか決まってしまう…」って考えてしまうと、「小さな違いによる、大きな結果の違い」を「そのスケール感」と共に感じてしまった次第です。こんな事を考えると、上記に記載した、”私達は、今、「分水嶺」にいる” と言う言葉の意味は、”今この時、些細なミスも許されない「重要な局面」にあるので、最新の注意を払い、最適な判断・行動をしなければならない” と言った、人の意思の入った意味になるってくる事も腑に落ちた次第です…(秩父の山間部にある、関東屈指のパワースポット・三峯神社を、別記事で紹介していますので、併せてご参照ください!)

【分水嶺と観光スポット】

そんな事を考えながら、具体的には、何処が中央分水嶺になるのかなー」と思い、調べてみました。以外と ”分水嶺公園” とかいった感じで「”分水嶺” を売りにしているスポット」が、結構ある事がわかりました…。多くの人が「単なる境目」の意味ではなく、(上記に記載したような)「人の意思の入った意味として、”分水嶺” と言う言葉を捉えているだろう」と、勝手な推測をしてしった次第です…。そんな、「分水嶺売りのスポット」を以下に、簡単ですが、(私が見つけた範囲で)いくつか紹介します。と言うより、私も行った事は無いスポットがほとんどですが、『「自身が、”人の意思に影響を与えるだけの意味” があると言う印象を持つに至った、”分水嶺”(と言う言葉)を売りにしている、行ってみたいと思ったスポット」を紹介します』と言った方が正しいかもしれません…。

① 善知鳥峠分水嶺公園@長野・塩尻

善知鳥峠分水嶺公園」は、長野県の諏訪湖の少し北側に位置する、塩尻にある公園の様です。山を登って行くのは、ある年齢になると、ちょっと厳しいですが、こちらであれば行けそうな気がしました…。

善知鳥峠分水嶺公園の情報:https://tokimeguri.jp/spot/1061.php (塩尻観光ガイドのページ)

② ひるがの分水嶺公園@岐阜・高鷲

ひるがの分水嶺公園」は、岐阜県の「高山」と「郡山」の中間付近にある様です。こちらもアクセスがしやすいようですので「高山観光」や「郡山観光」に併せて脚を運びたいと思いました。

ひるがの分水嶺公園の情報 https://www.kankou-gifu.jp/spot/1173/ (岐阜の旅ガイドのページ)

③ 平沢峠@長野・南牧

平沢峠」は、私の故郷・北杜市のすぐ近くの様で、幼少の頃いった記憶がありますが、中央分水嶺だとは、知りませんでしたので、改めて脚を運ばせて頂きました。以下写真、圧巻の景色をご参照下さい。駐車場もありますので、車でのアクセスが出来る上、近くには、「圧巻の岩:しし岩」や手軽にハイキングを楽しめる「飯盛山」、野辺山宇宙電波観測所/鉄道最高地点」(北杜市の観光情報と共に別記事で紹介しております)と言った観光スポットもありますので、併せて回られてはいかがでしょうか?

平沢峠の情報: https://www.go-nagano.net/topics_detail6/id=3853 (長野公式観光サイトのページ)

平沢峠としし岩の様子 飯盛山へのハイキングマップの看板に少しだけ分水嶺を紹介しています

④ 石生の水分れ@兵庫・丹波

石生の水分れは、上記の引用中に登場しましたが、「日本一低い中央分水嶺」と言われている(唄っている?)様ですが、上記引用から理解するに『日本一』ではなく、『本州一』低い中央分水嶺」と理解する分水嶺です。高い所を目指すのは、少々大変ですが、ここなら行けそうな感じで、しかも「日本一?」・「本州一!」です。

石生の水分れの情報:https://www.tambacity-kankou.jp/spot/miwakare_field_museum/ (丹波市観光協会のページ)

⑤ 分水界泣き別れ@広島・安芸高田

上記引用にも登場した分水界泣き別れは、日本海側に流れる「江の川水系」と瀬戸内海側に流れる「太田川水系」とを分ける分水嶺だそうで、『「泣き別れ」とは、降った雨水が南北に別れる「水の心情」を推し量って、そう呼ばれるようになった』という事らしいです…。少し違いますが、「分水嶺」と言うワードには「人の心」を反映しやすい様です…。

分水界泣き別れに情報:https://www.akitakata.jp/ja/shisei/section/kyouiku/shisekibunkazai/cultural_asset/tennen_shi/bunsuikai/(安芸高田市のHP)

⑥ 甲武信ヶ岳 (≒信州峠)@山梨・長野の県境付近

上記にも記載しましたが「甲武信ヶ岳は、荒川千曲川笛吹川(後の富士川)の分水嶺」。登山経験のほぼ皆無の私にとって、ちょっと行くには厳しいかもしれませんが、「希望として」リストアップしました…。しかし、近くの(とは言ってもそれなりの距離がありますが…)「信州峠」であれば、車で行けます。「信州峠」は、信州・長野(川上村)に降った雨は「千曲川(=信濃川)」から「日本海」へ、「山梨(北杜市)」に降った雨は、「塩川から富士川」を抜け「太平洋」に注ぐ「中央分水嶺」と理解しています。

⑦ 玉川上水@東京(羽村~新宿) (「中央分水嶺」ではありませんが気になってしまったので…)

本ブログ別記事で紹介しました「玉川上水」取水口の「羽村堰」から「新宿御苑」近くまで、人工的に通された上水路』という事で、『出来るだけ「高さを保ちつつ」羽村の多摩川から江戸市中まで水を運んだ』ので、結果として『武蔵野台地の(ほぼ)分水嶺』になった認識です。詳細は本ブログの別記事をご参照頂きたいのですが、玉川上水は、分水嶺としての魅力以外の魅力」も盛りだくさんですので、「羽村堰」から「新宿御苑」まで、大人散策を遂行してみてはいかがでしょうか?

玉川上水の大人散策の様子

【最後に】

以上が、『水』を『分』ける『嶺』こと『分水嶺』に付き、その意味を実感し、『分水嶺押しの観光地』の共有」をさせて頂いた内容になります。

たわいもない言葉遊びでしたが、個人的には「結構面白い遊び」でした…。なので、また遊んでみたいと思いいますが、まずは「分水嶺」からの連想ゲームで、”追分” “天王山” の様な似通った言葉で、また遊んでみたいと思います! 更新後、別記事で改めて紹介致しますので、宜しければご参照ください。
(⇒”追分” “天王山” を含め、だいぶ溜まってきましたので「こちらのカテゴリ」をご参照頂ければ幸いです)

最後の最後に… 「三分一湧水」も…

ある意味、山梨県北杜市にある武田信玄が『地元の水争い』を治めるために作ったと言われる『三分一湧水』も『村々の間における、分水嶺?』」と思った次第で、近くには、同じく武田信玄が、信濃攻略のために作った軍用道路で、現在は「歴史と自然を感じる大人散策路」の「信玄棒道」もありますので、脚を運ばれてみてはいかがでしょうか?

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