【はじめに:玉川上水の基本情報】
こちらの記事では、玉川上水の①羽村堰~拝島駅間の大人散策情報を紹介致します。
本ブロブでは、⓪玉川上水の概要/基本情報(抜粋版見所情報)、①羽村堰~拝島駅、②拝島駅~玉川上水駅、③玉川上水駅~小金井公園、④小金井公園~暗渠入口、⑤暗渠入口~玉川上水水番所跡(新宿御苑付近)をそれぞれ記載していますので、皆様のニーズに合わせそれぞれのページにて詳細ご確認頂きたいのですが、こちらのページでは、①羽村堰~拝島駅間に絞って記載いたします。
そもそも玉川上水は、皆様ご承知の通り、江戸に幕府が開かれてから、急速に人口が増えた江戸の街に、有名なところでは、神田上水等により何とか補っていた水の確保が更に必要になり、江戸時代の初め東京の西にある羽村から多摩川の水を江戸市中に引き込むために作られた人口の用水路ですよね。
そんな玉川上水に関連する話は色々とあると思います。「奇跡の勾配」と言われる2パーミルの勾配、「水喰らい土」と呼ばれれる関東ローム層の地質、江戸市中だけなく、「野火止用水」として、現在の埼玉(新座・志木)にも水を共有した(別記事にて、野火止用水の散策情報も記載しています)、等々・・・、色々な話があります。これらの情報は、⓪玉川上水の概要/基本情報(抜粋版見所情報)にて記載していますので、そちらをご覧いただき、こちらの記事では、①羽村堰~拝島駅間の大人散策情報を以下に紹介して参ります。
【大人散策(散歩)には、最適なコース “玉川上水”】
今回ご紹介するコースの総距離は、寄り道しながら進んでも、恐らく10㎞弱と思われます。故にさほど長い距離ではありませんので、ゆったり進んで頂ければと思います。
スタート地点は、JR羽村駅。羽村堰までは、徒歩で、10-15分程度です。
・旧鎌倉街道と旧青梅街道の追分
玉川上水の大人散策情報のページですが、本ブログ別記事で紹介している「鎌倉街道」、「追分」の2つのワードを実感できるポイントです。ホント鎌倉街道って何処に行っても出てくる印象です…。南側を向いて、左手が旧青梅街道、右手が旧鎌倉街道です。
・大欅
その鎌倉街道を南下し、羽村街道を右折。しばらく道を下った先(切通の様になってます)のお寺(禅林寺)を過ぎたところを左折し、禅林寺山門を左手に見つつ進むと、大きな木が目に飛び込んできます。羽村堰の直ぐ近くにある大欅です。写真の説明文の通りですが、樹齢400年とも、600年とも言われる大木です。言い換えれば、玉川上水の工事の頃には、もう既にあった木です。羽村堰のランドマークとしてふさわしい巨木だと思います。
・羽村堰
大欅の目の前には、羽村堰があります。季節にもよるのでしょうが、写真の通りかなりの水量で圧倒されてしまい、恐怖すら覚える感覚です。写真+最下部のマップにも示しますが、一段高い場所から取水口の様子がよく見れますので是非実感してみて下さい。ここから40㎞以上の距離を経て、江戸の中心部に水が流れていったと思うと、感慨深いものがあります。
またここには、玉川兄弟の像(何故か蝶ネクタイをしたネコちゃんもいましたが…)、人と水の戦いを示す牛枠(山梨の信玄堤にも同じ様な物があり、そちらでは聖牛と言います)のレプリカもあります。
・堂橋
玉川上水の流れに沿って進み、ポンプ所を越えた先に橋が出てきます。堂橋です。かつて薬師堂この付近にあった様ですが、玉川上水の工事に伴い高台に移転したようで、歴史のある道の様です。またここでは、段差(高低差)も実感頂きたいポイントです。かなりの急斜面にへばりつく様に玉川上水が流れ、「何としてでも高さを維持するんだ!」と言った工事関係者の意思を感じる事が出来ると思います。
・木々の中を散策
堂橋を過ぎしばらく歩を進めると、木々の生い茂った気持ちの良い通りを玉川上水の流れと共に進む事が出来ます。また、玉川上水の流れが、ある時には深い所に、時にはすぐ目前になる事も理解できるポイントです。地形に合わせ掘削の深さを調整しつつ、工事が進められた事を感じる事が出来ると思います。
・宿橋
木々の道を抜け、玉川上水に沿って若干交通量多めの道を進むと、個人宅につながる様な、沈下橋的な橋が見え、その先に現代の橋・宿橋が出てきます。個人宅(ある蔵元の様です)につながる橋は、手入れされた植栽と玉川上水の流れがマッチして、なんとも絵になる景色です。
・旧ヤマジュウ田村家住宅(寄り道)
上記、宿橋の交差点で玉川上水の流れに沿って向き、そこを左折し、100mもしない所に「旧ヤマジュウ田村家住宅」があります。母屋は公開されており、明治期に建てられた建物は、中々見応えのある物で、少し寄り道して頂きたいと思えるスポットです。母屋裏には蔵もありますし、道を挟んだ向かいには、昔の郵便局と言われる建物(現在は教会)もありますので、併せてご覧頂きたいです。
・清岩院庭園
旧ヤマジュウ田村家住宅を出て再度玉川上水の流れに戻り、少し流れから離れますが広めの道を流れに沿って進んだ先の信号を右折した目の前(一段下がっていますが)に、清岩院庭園があります。大きさはありませんが、満々と美しい水をたたえた庭園は、風格を感じさせてくれる庭園です。
尚本ブログでは、東京旧古河庭園、東京椿山荘、神戸相楽園、京都無鄰菴、高松栗林公園、熊本水前寺成就園、山梨恵林寺庭園、甲府常磐ホテルの庭園、平泉毛越寺庭園、名古屋徳川園、二条城二の丸庭園、川越喜多院の紅葉山庭園/中院の庭園、熱海の起雲閣、旧芝離宮恩賜庭園、小石川後楽園、清澄庭園、浜離宮、六義園、新宿御苑、日本三名園:金沢兼六園・岡山後楽園・偕楽園等、全国各地の庭園も紹介しており、「日本庭園のカテゴリ分け(庭園分類)」に関しても記載しております(更新中あり)ので、下記一覧表をご活用いただき、ご参照頂けますと幸いです。
・中福生公園
清岩院庭園から再度坂を上り玉川上水の流れに戻ると、その先に中福生公園が右手に見えます。玉川上水から見て一段下がった場所にある水の豊富な公園を見ていると、「玉川上水の高さは落とさない!」といった感じの意思を改めて感じる事が出来ると思います。
・牛浜橋
中福生公園の先、少しの間、玉川上水の流れに沿って歩を進める事が出来ますが、その先は、流れに沿って散策する事が難しくなってくるエリアです。故に橋を目安に歩を進めましたが、こちらの牛浜橋は、装飾性の高い橋ですので、玉川上水の流れを確認するのと同時にご覧ください。
・水喰土公園
水喰土公園は、玉川上水の工事に際し、苦労をされた痕跡を直に見る事が出来るスポットです。中々情報がない中行くと、「ただの空堀」に見えてしまうと思うので、以下写真の説明文、もしくは現地の説明文をご覧頂いてから散策される事をお勧めします。以下の現地説明文、並びに自身で(地理院のページにて)作成した標高差のわかる地図からお解り頂けると思いますが、水喰土の層を避け、あえて標高の高い場所を掘削して、玉川上水の工事がなされた事、容易に想像できると思います。
尚、こちらの公園の入口は、少々わかりにくい場所にありますので、下記の地図を頼りに歩を進めれば、到達可能ですので、是非最下部の地図をご活用ください。
・八高線高架
地図には載っていませんが、水喰土公園の北側には、玉川上水に沿って散策できる道(歩行のみ可能な感じ)につながっています。八高線の高架をくぐる形で、玉川上水の自然豊かな空間を散策出来ますので、拝島駅へ向けての散策をお楽しみください。
・日光橋
上記八高線の高架をくぐり、歩を500m程進めると、もうすぐ拝島駅ですが、手前に「日光橋公園」の看板が出てきます。しかしその傍らにある橋の名称は「どんぐり橋」。「???」の感じでその橋(どんぐり橋)の上まで行き、下流を見ると、味のある橋が目に飛び込んできます。こちらが、日光橋です。別記事で紹介しました、八王子から日光を結ぶ道 ”日光脇往還” が、玉川上水上を越える為にかけられた橋と理解しており、いい感じで味のある、歴史ある橋です。拝島駅の目の前ですので、心の片隅に留め置いて頂ければと思います。
【最後に】
以上が、玉川上水の「①羽村堰~拝島駅間」の大人散策情報の紹介になります。
学生時代、武蔵小金井付近に住んでいた事もあり、玉川上水は、自然を感じる事が出来るお気に入りの場所で、川越に移ってからも、玉川上水沿いの散策は、何度もさせて頂いているスポットです。東京の中にあって、自然をこれほどの距離にわたって、感じられる散策路はほかにあまりないと思っています(勝手に思っているだけかもしれませんが・・・)。「自然や文化」を感じながら、また玉川上水の「水の流れとそこに生きてきた人達の営みや困難を克服する創意工夫」を感じる事が出来る、大人散策には、うってつけの場所だと信じています。
別記事にて、⓪玉川上水の概要/基本情報(抜粋版見所情報)、①羽村堰~拝島駅、②拝島駅~玉川上水駅、③玉川上水駅~小金井公園、④小金井公園~暗渠入口、⑤暗渠入口~玉川上水水番所跡(新宿御苑付近)、に付きそれぞれ大人散策情報を記載いたしますので、是非皆様も玉川上水の歴史に思いをはせつつ、自然を感じつつ、大人散策してみてはいかがでしょうか?
また、玉川上水駅付近で、玉川上水から分岐している、野火止用水沿いを、志木まで2回に分けて実施した大人散策の情報も共有させて頂いておりますので、宜しければ併せてご参照ください。
以下、Googleマイプレイス(マイマップ)で作成した地図を、アプリ・GogleMpsで、位置情報をONにしてスマホでご利用頂くと、紹介したスポットを、自身の位置確認しつつ大人散策する事が出来ます!