【はじめに】
私の住まう街「川越」は、「小江戸」として有名で、蔵造りの街並みが残る「情緒あふれる街」です(別記事参照ください)。そしてこの「小江戸」を名乗る街が、有名どころで、あと2つあります。一つは、栃木県栃木市(別記事で紹介致しております)、そしてもう一つは、千葉県香取市佐原(こちらも、別記事で紹介しています)。逆の言い方をすると、「小江戸を名乗る有名どころは、”3都市”」と言う事の様です。
しかし、もう一つ、似た言葉があります。「小京都」ですね。では、「小京都」を名乗る都市は、いくつあるのでしょうか? Wikipedia の力を借り、調べてみますと、本家の京都(別ブログで紹介中)は除いて、「63」ある様です(詳細の都市名は、以下参照)。
本ブログの別記事で紹介させて頂きました、秋田県角館町(現・仙北市角館地区)、湯沢市、栃木県栃木市(「小江戸」とも)、埼玉県比企郡小川町 (「武蔵の小京都」と称される)、比企郡嵐山町 (京都の嵐山(あらしやま)に風景が似ていることから「武蔵嵐山」)、長野県松本市、神奈川県足柄下郡湯河原町 (2011年4月よりキャッチフレーズに「小京都」を使わない方針)、石川県金沢市 (「加賀の小京都」と称される)、愛知県犬山市 、といった名前も、見えてきます。
小江戸を名乗る都市が「3つ」に対し、「小京都」を名乗る(名乗っていた)都市は「63都市」。この事実、皆様はどう感じられますか?
【「小京都」の基本情報】
そもそも「小京都」とは、なんでしょうか? Wikipedia の力を借り調べてみますと、以下の様にあります。
小京都(しょうきょうと)とは、古い町並みや風情が京都に似ている、日本各地にある街の愛称・別称である。
概要:明治以降の開発や災害、太平洋戦争下の空襲を免れて、江戸時代以前のたたずまいが残る街が日本各地にある。このうち、景観などが京都に似ている地区が「小京都」と呼ばれる。後述の全国京都会議は、加盟条件の一つに「京都に似た自然景観、町並み、たたずまいがある」を掲げている。
全国京都会議:小京都と呼ばれる地域が集まる団体として「全国京都会議」が存在する。全国京都会議は京都市を含む27市町により、1985年(昭和60年)に結成された。1988年(昭和63年)の第4回総会で加盟基準が次のように定められた。「京都に似た自然と景観」、「京都との歴史的なつながり」、「伝統的な産業や芸能があること」、以上3つの要件の1つ以上に合致しておれば常任幹事会で加盟を承認される。
全国京都会議には小京都のほか、「本家」である京都市も参加し、事務局を同市観光協会内に置いている。ピーク時の1999年度には56市町が加盟していた。2018年度までに63市町が入会し、再入会を除いて19市町が退会した(後述の「過去に全国京都会議に加盟していた自治体」も参照)。2020年6月時点では41市町が加盟している。退会理由としては財政難や観光客誘致へのメリットが乏しいことのほか、歴史的に城下町として発展した歴史などに鑑みて「小京都」としてではない独自性をアピールすることを挙げる自治体も複数ある。また古い街並みでなく、京都との歴史的つながりで加入している自治体もある。一方で、全国京都会議に加盟していなくても、観光宣伝目的や自然発生的な自称・他称の「小京都」は多い。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小京都
私なりの理解は、『日本のそれぞれの自治体が、観光産業活性化の為に「日本の古都・京都のブランド」を利用したいので、京都と似た場所や京都とのつながりを持ってして、「小京都」を名乗る様努力している。ただ基本、勝手に名乗っている訳ではなく(自称のケースもある様ですが)、京都との類似性や繋がりがある事が前提になっているので「おかしな話ではない」』、といった理解をさせて頂きました。
【「小江戸」よりも、「小京都」を名乗る都市が圧倒的に多い事に対する考察】
上記の状況から考えた時、私の中には、『「小江戸ブランド」よりも「小京都ブランド」の方が、各自治体にとっては「よりバリューのあるブランド」なんだ…』と思った次第です。「小江戸」を名乗る、川越市の住民としては、「より競争相手が少ない、OnlyOneの観点で、川越の観光産業にはいいのでは?」と思う反面、「小江戸より、小京都の方がブランド価値が高いなら、小江戸ブランドを最大限活用している川越、大丈夫かなー」の両方の側面で考えてしまいました。
同時に、本ブログ別記事の「日本の首都」で触れさせて頂きましたが、『日本の歴史を考えた時「日本が日本である所以の日本文化の中心は京都」で「日本の都」」、「経済的・政治的な考え方に焦点を置いた中心地は東京」で「日本の首都は東京」』の考え方が、日本人の多くが持っている「根底の心情」でないかと思った次第です。「旅」と言うものを考えた時、経済的な中心の東京を選択するよりも、やはり『日本文化をより感じらられる「京都」の選択にプライオリティー』を置いてしまうのは、私だけの感覚では無いような気がした次第です。
【最後に】
上記、勝手な考察を加えさせて頂きましたが、皆様は、どの様に感じましたでしょうか? 「勿論、小江戸川越に来てほしいが、本家の京都も小京都も面白い」と言うのが、私の正直な感想です。故に、地元川越の良さを感じつつ、それを発信しつつ、京都にもお邪魔して、更には、小京都と言われる地域にも参らせて頂き、その地域を感じてみたいと思いました。日本の顔は、京都の側面もあれば、東京の側面もあり、それぞれの地方都市は、影響を受けつつもそれぞれの独自の顔を持っていると思います。そんな楽しみ方をしながら、出来るだけ多くの街を、これからもめぐっていき、少しでも皆様に共有できればと思います!
【参考:「小京都」と “名乗る” or “言われる” 都市の一覧】
(Wikipedia 「全国京都会議加盟自治体」より: https://ja.wikipedia.org/wiki/小京都)
東北地方
・宮城県岩出山町(現・大崎市岩出山地区) -「伊達な小京都」と称される。
・柴田郡村田町 -「宮城の小京都」と称される。
・秋田県角館町(現・仙北市角館地区)-「みちのくの小京都」と称される。
・湯沢市
・福島県東白川郡棚倉町
関東地方
・栃木県栃木市(「小江戸」とも)
・足利市 -「東の小京都」と称される。(「東の京都」「坂東の京都」とも)
・佐野市 – 「下野の小京都」と称される。
・埼玉県比企郡小川町 -「武蔵の小京都」と称される。
・比企郡嵐山町 – 京都の嵐山(あらしやま)に風景が似ていることから「武蔵嵐山」と呼ばれている。
・茨城県古河市 -「関東の小京都」と称される。
中部地方
・新潟県加茂市 -「北越の小京都」「越後の小京都」と称される。
・長野県飯山市 -「北信濃の小京都」「雪国の小京都」と称される。
・富山県城端町(現・南砺市城端地区) -「越中の小京都」と称される。
・岐阜県八幡町(現・郡上市八幡地区)-「奥美濃の小京都」と称される。
・静岡県周智郡森町 -「遠州の小京都」と称される。
・愛知県西尾市 -「三河の小京都」と称される。
近畿地方
・三重県上野市(現・伊賀市上野地区)
・兵庫県丹波篠山市 -「丹波の小京都」と称される。
・出石町(現・豊岡市出石地区)-「但馬の小京都」と称される。
・龍野市(現・たつの市龍野地区)-「播磨の小京都」と称される。
・伊賀上野城(三重県伊賀市)
中国地方
松江、津和野、倉吉は「山陰の小京都」と称される。また松江、津和野、津山、尾道、山口、萩は「西の小京都」とも称される。
・鳥取県倉吉市 – 白壁土蔵・赤瓦の建物群が残る。
・鹿足郡津和野町
・岡山県津山市 -「中国山中の小京都」と称される。
・高梁市 -「備中の小京都」と称される。
・広島県尾道市 -「瀬戸内の小京都」と称される。
・山口県山口市(西の京とも)
・萩市
四国地方
・愛媛県大洲市 -「伊予の小京都」と称される。
・高知県中村市(現・四万十市中村地区)-「土佐の小京都」と称される。
・安芸市
九州地方
・福岡県甘木市(現・朝倉市秋月地区)-「筑前の小京都」と称される。
・佐賀県小城市
・熊本県人吉市 -「熊本の小京都」と称される。
・山鹿市
・大分県日田市 -「豊後の小京都」と称される。
・杵築市
・宮崎県日南市飫肥地区 -「九州の小京都」と称される。
・鹿児島県知覧町(現・南九州市知覧地区)-「薩摩の小京都」と称される。
【過去に全国京都会議に加盟していた自治体】
・北海道松前郡松前町 -「北の小京都」と称される。
・青森県弘前市 – 「津軽の小京都」と称される。
・岩手県盛岡市 -「陸中の小京都」と称される。
・遠野市
・水沢市(現・奥州市)-「みちのくの小京都」と称される。
・山形県山形市 -「出羽の小京都」と称される。
・酒田市
・飯田市 -「南信の小京都」と称される。
・神奈川県足柄下郡湯河原町 – 2011年4月よりキャッチフレーズに「小京都」を使わない方針
・富山県高岡市
・石川県金沢市 -「加賀の小京都」と称される。
・福井県小浜市 -「若狭の小京都」と称される。
・大野市 -「越前の小京都」と称される。
・岐阜県高山市 -「飛騨の小京都」と称される。
・愛知県犬山市 -「尾張の小京都」と称される。
・滋賀県大津市 – 京都市に隣接。
・京都府亀岡市 – 京都市に隣接。
・広島県竹原市 -「安芸の小京都」「西の小京都」と称される。
・三次市 -「備後の小京都」と称される。
・徳島県那賀郡那賀川町(現・阿南市)-「阿波の小京都」と称される。
・佐賀県伊万里市