新河岸川・赤間川

【はじめに】

こちらの記事では、前編に引き続き新河岸川/赤間川を中心にその歴史やスポット、地形観点の発見等、大人散策と併せて知っておきたい情報を紹介させせて頂く、その後編になります

当初は、1つの記事で記載させて頂こうと思っておりましたが、書き始めてみると、思った以上に長文になってしまい、多くの写真も使用してしまった為、以下の内容で、2部構成とさせて頂いております。

▪️ 前編 (別ページ:こちらよりご参照ください)

  • 桜並木の新河岸川で舟遊び
  • アニメの舞台になった田谷堰
  • 入間川・多摩川・荒川・利根川の水が混ざって、新河岸川⇒隅田川
  • 舟運で有名だった新河岸川

▪️ 後編 (このページ:以下ご参照ください)

  • 歴史と文化を感じる赤間川⇒新河岸川の大人散策

【歴史と文化を感じる赤間川⇒新河岸川の大人散策】

・そもそも、赤間川とは

前編でも若干触れましたが、現在では、新河岸川の上流のあたる川です入間市の笹井堰にて取水し、霞川を立体交差で潜り抜け(伏せ越し)、武蔵野台地の北側を河岸段丘に沿うように流れ、安比奈線(廃線)・関越道もくぐって、川越の上野田付近で新河岸川と名を改め、菓子屋横丁の脇を流れた後、かつては田谷堰で北側に進路を取り、田園地帯を抜け、伊佐沼に流れ込んでいた川です

様々調べてみましたが、「江戸時代後期から農業用水を得るために掘削された」であったり、「川越市東陽寺の近くの湧水が水源であった」であったり様々な情報があり、明確に分かりませんでした。

唯一分かった事は、「上流部分の情報は良く見えない物の元々赤間川は、現在の田谷堰から北側に進路を取り、伊佐沼に流れ込んでいたが、大正から昭和にかけての河川改修にて、田谷堰~仙波河岸跡付近までが新たに掘削された。この新しい区間を新赤間川、元々の区間を旧赤間川と言っていたが、現在では、新河岸川の起点が更に上流部となったたため、現在でも赤間川の痕跡を新河岸川上で見つける事が出来る」と言う事くらいでしょうか?(田谷堰以降の旧流路の写真は以下参照)

・今尚残る新河岸川上流の赤間川の痕跡

上記に触れた通り、新河岸川の起点は、川越の中心部から見た際、西側のにある上野田付近に起点の石碑が建っています。その為、それより下流は、新河岸川のはずですが、周囲には、赤間川の名前を見かけるポイント(=赤間川の痕跡)が多くあります。橋の欄干であったり、公園であったり、赤間川の名前が今尚残るポイントが多くあり、その中でも多くの方が目にするポイントにもその名が刻まれております。それは、前編で触れました「月がきれい」の舞台にもなっている、田谷堰にある田谷橋。ここの欄干には、「赤間川」としっかり記載されています。

また、かつて赤間川の流路であった田谷堰の北側や、宮元町公園(恐らく赤間川のかつての流路)付近から東に流れを変え、伊佐沼方面に進んだ流路にも、その痕跡を見つける事が出来ます。時代の流れと共に、赤間川の名を忘れて行ってしまうのかもしれませんが、その痕跡を辿るのは、正に大人散策の醍醐味だと思います。

日光脇往還 / 鎌倉街道上道 / 堀兼道(≒東山道武蔵路)

赤間川・新河岸川は、基本武蔵野台地の「ヘリ」を、川越の中心部を取り囲むように流れているので、別記事でも紹介しました、日光脇往還鎌倉街道上道堀兼道(≒東山道武蔵路)川越児玉往還といった歴史の道と必ず交わっています

日光脇往還に関しては、入間市の入間川・豊水橋にて「根岸の渡し」があった事からも、その付近で赤間川と交わっている事、良く理解できます。また、川越児玉往還に関しては、菓子屋横丁の脇の「高沢橋」で新河岸川と交わっています事良く解ります

しかし、鎌倉街道上道堀兼道(≒東山道武蔵路)は、そのルートが、現在では曖昧なため、正確にどこで交わっていたか不明です。しかし、「恐らくこの近辺ではないか?」と思える場所があります

鎌倉街道上道であれば、(捕らえられた義高を弔うべく建てられた)「清水八幡宮」のある、本富士見橋・新富士見橋・昭代橋付近と思われます。(別記事で紹介していますが)入間川の対岸には、木曽義仲の嫡男・義高が、追手から隠れたと伝わる影隠地蔵もあります(木曽義仲が義経に打ち取られた後、人質で鎌倉にいた義高は、恐らく鎌倉街道上道を父の生誕地である現埼玉県嵐山町方面に逃亡する途中に追手にとらえられ処刑された)。また現在では、「義高の鯉のぼり」なる模様し物も、新富士見橋と昭代橋の入間川左岸にある河川敷中央公園で行われてます。

また、堀兼道(≒東山道武蔵路)であれば、奥富神社・八坂神社・日枝神社あたりではないかと思われます奥富神社の南東の16号線沿いには、「生越道々標(おごせどうどうひょう)」(石柱)があり、この南に東山道武蔵路が通っていた事をにおわせる記載があります。また八坂神社・日枝神社は、現在堀兼道(≒東山道武蔵路)と目される堀兼神社前の直線道路を北に結んだ直線上にあり、更に北側の入間川を越えた先には、「東山道武蔵路の「駅」の跡かもしれない」と伝わる、若宮八幡社があります(それぞれ別記事で紹介しておりますが、位置関係は最下部の地図をご参照ください)。

・多くの神社仏閣

上記、歴史の道との交わりも魅力的ですが、多くの神社仏閣も魅力の一つです

周囲も含めると、本当に多くの神社仏閣がありますが、赤間川・新河岸川の大人散策を基本に、そこからアクセスしやすい神社仏閣を、流れに沿っていくつか紹介させて頂きますと、「清水八幡宮」(上記参照)、「瑞光寺」、「梅宮神社」、「奥富神社」(上記参照)、「広福寺」、「富森稲荷神社」(上記参照)、「八雲神社」、「八坂神社」、「妙昌寺」、「十念寺」、「見立寺」、「東明寺」、「川越氷川神社」、「三芳野神社」、「長徳寺」、「天然時」、「仙波氷川神社」、「愛宕神社」、「日枝神社(下新河岸)」、といった感じになります。勿論少し範囲を広げれば、もっともっとあるのですが、「赤間川・新河岸川の散策を中心に、ちょっと寄り道程度の距離感で回れる神社仏閣」の切り口で上げさせて頂いた神社仏閣になります。

そんな中でも、是非回って頂きたいのは、「梅宮神社」、「奥富神社」、「広福寺」、「八雲神社」、「妙昌寺」、「見立寺」、「東明寺」、「川越氷川神社」、「三芳野神社」、「天然寺」、「仙波氷川神社」、「愛宕神社」、「日枝神社(下新河岸)」です。それぞれ簡単に記載しますと以下になります。

梅宮神社

大きな神社ではありませんが、赤間川から近く、鳥居の前に由来の記載があり、いっぷくポイントには良いと思います

奥富神社/八雲神社

この2つの神社は、武蔵野台地の高台にあり、赤間川がこの台地に沿って流れている事を実感できるポイントです。

広福寺

創建は不明の様ですが、徳川家光が何度か脚を運んでいらっしゃる寺院との事で、半鐘とセットになった山門は、「見る価値がある素晴らしい構造物」だと思います

妙昌寺/見立寺

それぞれ、川越七福神の1つ(妙昌寺:弁財天/見立寺:布袋尊)で、新河岸川の直ぐ脇を流れています。妙正寺境内の弁財天の左官によるものと思われる壁画は、中々の作品です。

東明寺

本ブログ別記事で紹介しております通り、個人的には違った仮説を持っていますが、日本三大奇襲の1つ、河越夜戦の激戦地の1つと伝わる寺院で、境内のイチョウの木は圧巻です。

川越氷川神社

川越の顔の1つで、縁結びで有名ですが、境内には、樹齢600年と伝わる欅のご神木等もありますし、本殿の彫刻は圧巻の芸術作品です。また、有名な川越まつりは、ここ川越氷川神社の祭礼です。

三芳野神社

元祖の三芳野神社は、同じ川越の的場にありますが、こちらの三芳野神社は、「♫とおりゃんせ♫」発祥の地として有名です。(現存4御殿の1つ、川越城本丸御殿も目の前ですので、宜しければ併せてどうぞ)

天然寺

上記、妙昌寺/見立寺同様、川越七福神の1つで、天然寺は、寿老人です。

仙波氷川神社/愛宕神社 (仙波河岸史跡公園も併せてどうぞ)

新河岸川の河岸の最上流部、仙波河岸の跡地に仙波河岸史跡公園がありますが、(高低差ありますが)そのすぐ脇に16号線を挟んで、仙波氷川神社と愛宕神社がありますやはり別記事で触れていますが、この2つの神社は古墳でもありますので、併せてご参照ください。

日枝神社(下新河岸)

下新河岸の跡地の直ぐ隣にあります。寺尾城跡との言われている場所にあたるようです。

・掘削の跡が一目瞭然の直線的な流れ

上記、現在の新河岸川は、「田谷堰から仙波河岸跡付近まで大正から昭和の時代に掘削された」旨記載いたしましたが、これが非常に良く実感できる場所があります1つは、三芳野神社付近にある、杉下橋。もう1つが、小仙波町付近にある、清進場橋。この2つの橋の上に立ち、上流・下流を見て頂くと新河岸川が一直線に流れている事、良く理解頂けると思います。川は本来多少なりとも蛇行して進むもの。しかしこれだけの直線で流れている以上、人の手で掘削された痕跡に違いないと改めて思った次第です。

尚本ブログでは、諏訪大社熱田神宮大宮氷川神社川越氷川神社川越喜多院日光の二社一寺久能山東照宮浅草寺深大寺神田明神大國魂神社等々、有名何処の神社仏閣に加え、日本三大怨霊 / 日本三大八幡 / 神社の社格 / 神社のカテゴリー分類と言った内容に関する考察の記事も記載しております。以下に、本ブログで記載した(一部記載が追い付いていない神社仏閣もありますが…)祭神の系統や社格(神社)や宗派(仏閣)といった切り口で、マトリックス上にまとめた一覧表を共有させて頂きますのでご参照頂けますと幸いです。また、今後調査や訪問を行い、本ブログで記載していきたいと思って折りますので、「更新中」である事を予めご容赦頂けますと幸いです(画像では見にくいので、クリック頂くとpdfのファイルが開く様になっております)。

【最後に】

以上が、「歴史・地形・アニメ・神社仏閣等、様々な視点で楽しむ新河岸川/赤間川の大人散策情報・後編」、になります。(前編に関しては、別記事で紹介しておりますので、こちらよりご参照ください)

玉川上水野火止用水等、人工的に作られた水路の散策をかつてさせて頂き、新緑や紅葉を楽しむと同時に、水の確保と戦ってきた人々の歴史を感じつつ、大人散策させて頂きましたが、赤間川・新河岸川も同様に、歴史や地形、周辺の神社仏閣、人の営みを感じつつ散策する事が出来、大変有意義な大人散策でしたただ単に水辺を散策するだけでなく、周辺情報も踏まえ散策する事で、ただの散策が大人散策になると、改めて思いました。

皆様のお住いの地域にも同様に、「人が、水の確保(玉川上水野火止用水等)・水害対策と戦ってきた歴史(三日月湖はその痕跡)の痕跡」や「周辺の地形、文化等を感じさせてくれるスポット」が必ずあると思いますので、是非ご近所の大人散策から初めて見てはいかがでしょうか?

以下、Googleマイプレイス(マイマップ)で作成した地図を、アプリ・GogleMpsで、位置情報をONにしてスマホでご利用頂くと、紹介したスポットを、自身の位置確認しつつ大人散策する事が出来ます!

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