【はじめに:基本情報】
数年前の夏休み(遅めの夏休みだったので、9月)、静岡(掛川・浜松)、彦根、長浜、名古屋(犬山・岐阜も)を回る旅を企画し、それぞれお邪魔させて頂きました(旅全体の日程は、別記事をご参照ください)。本ブログの別の記事で、彦根城を記載させて頂きましたが、今回は、彦根城の北東側にある、玄宮楽々園を紹介させて頂きます。
国宝の彦根城を借景にした回遊式池泉庭園で、井伊家の生真面目さ、無骨さが表れた庭園だと思っています。大名庭園と言うと別記事で紹介しました、松が有名な、高松の栗林庭園、芝の富士が美しく、東海道をモチーフにしたと言われる熊本の水前寺庭園、会津松平家の庭園・御薬園、金沢100万石・前田家の兼六園、綱吉の側用人・柳沢吉保が策定したと言われる六義園、大名庭園の礎とも言われる小石川後楽園、彦根城と同じく天守を借景にした岡山の後楽園(まだお伺いできていませんが)、水戸徳川家の梅名有名な偕楽園(こちらもまだお伺いできていません)、等が私の頭の中に浮かぶ庭園ですが、国宝の城を借景にした庭園は、この彦根城の玄宮楽々園しか思い浮かびません。
この玄宮楽々園、池を配置した庭園部分を玄宮園、御殿部分を楽々園と言うようですが、この2つを合わせて、玄宮楽々園と言うようで、国の名勝に指定されているとの事です。
Wikipedia の力をかり、玄宮園を調べてみますと、以下の様にあります。
”玄宮園(げんきゅうえん)は、滋賀県彦根市にある旧大名庭園。国の特別史跡「彦根城跡」の区域、および隣接する楽々園とともに「玄宮楽々園」として国の名勝に指定されている (略) 玄宮園の原形となる庭園が造営された時期や規模は明確ではないが、江戸時代初期の延宝6年(1678年)に彦根藩4代藩主井伊直興が整備したといわれる。江戸時代後期の文化10年(1813年)には第11代藩主井伊直中の隠居屋敷として再整備され、今日に近い形に整えられたといわれる。玄宮園は御殿部分の「楽々園」に対して名付けられたものであるが、この呼称がいつ頃から用いられるようになったかははっきりしない (略)” 、
https://ja.wikipedia.org/wiki/玄宮園
桜田門外の変が、1860年と記憶していますので、この数十年前に、ほぼ現在と同じ庭園が再整備されていた事になります。言い換えれば、井伊直弼も同じ景色を見ていた可能性が高いと言う事で、なんとも感慨深いものがあると思いました。
【玄宮楽々園の鑑賞ポイントと散策ルート】
私達夫婦は、最初に彦根城の天守を見学させて頂き、その後に、楽々園→玄宮園とお邪魔させて頂きました。
彦根駅側の表門橋の方から入り、天秤櫓を通って、天守を見学。天守を出て、西の丸方面から、石垣を見ながら、本丸をから下り、黒門橋からまず楽々園にお邪魔させて頂きました。まず目に飛ぼ混んでくるのは、立派な唐破風の玄関。その玄関の右から庭園に出られるので、そちらに回ると、無骨さを感じながらも、美しい石組の枯山水のお庭が見えてきます。そしてその反対側が御殿になっており、そこに大きな沓脱石があります。そこからの眺めを想定して作られたと思うので、このポイントから是非この石組のお庭を見て頂ければと思います。この枯山水のお庭の奥行きを感じると同時に、更に奥に玄宮園の池が見え、なんとも言えない空間の演出を楽しむ事が出来ると思います。
(京都の二条城の庭園にも似ている?)
その後、楽々園からいったん外に出て堀とそこに並行で作られた塀を鑑賞しつつ、遠回りして、玄宮園に入り、左回りで鑑賞させて頂きました。
玄宮園内部に関しては、Wikipediaには、以下の様にあります。
”(略) 中心の入り組んだ池には4つの島と9つの橋が架かり、畔には臨池閣、鳳翔台、八景亭などの建物が配されている。(略)”、
https://ja.wikipedia.org/wiki/玄宮園
その中でもなんとも言えない美しい光景は、池を前におき、建物と橋、仙人が住む島をかたどった4つの石組み、そして国宝・彦根城を治めた景色(写真参照)。よく見る写真は、もう少し進んだ天守を池の対角線上でとらえた写真が多いようですが、私の場合は、以下のポイント(もう少し西側から)がもっと無美しいポイントだと思いました。
やはり国宝の彦根城を借景にした庭園と言う事で、この景色は本当に感動します。「ここだけを見る為にだけであっても、関東圏からくる価値がある」と思った次第です。上記の写真を撮った後、橋や建物をじっくり見学させて頂き、今一度庭園全体の気品にあふれた雰囲気を感じながら、また「井伊直弼も、ここを歩いたんだろーな」、「江戸に行く前に何を思っていたんだろーな」とその心持に思いを馳せながら、池の周りをもう一周し、玄宮・楽々園を満喫させて頂きました。
【最後に】
玄宮園を後にした後、井伊直弼公の銅像を拝見させて頂き、最初に彦根城に入った、表門橋まで戻り、そのまま道なりに直進して、お土産と夕食を取るべく、夢京橋 キャッスル口一ドの方に向かいしました(こちらに関しては、別記事をご参照ください)。
彦根城の天守と合わせ、玄宮楽々園周遊のコースは、2時間強程の行程だったと思います。国宝の彦根城天守は勿論ですが、玄宮・楽々園も絶対に外してはいけないスポットだと思いました。国宝の天守を借景にしたこれほど美しい庭園は他にないと思いますんで! 勿論、(別記事でご紹介しました通り)天守も素晴らしいので、「国宝の彦根城の天守」+「国の名勝・玄宮楽々園の庭園」と必ずセットでお楽しみいただきたいと思いました。是非皆様も足を運び、無骨ながらも、気品あふれるお庭の雰囲気と井伊家の歴史に思いをはせてみては、いかがでしょうか?
尚本ブログでは、東京旧古河庭園、東京椿山荘、神戸相楽園、京都無鄰菴、高松栗林公園、熊本水前寺成就園、山梨恵林寺庭園、甲府常磐ホテルの庭園、平泉毛越寺庭園、名古屋徳川園、二条城二の丸庭園、川越喜多院の紅葉山庭園/中院の庭園、熱海の起雲閣、旧芝離宮恩賜庭園、小石川後楽園、清澄庭園、浜離宮、六義園、新宿御苑、日本三名園:金沢兼六園・岡山後楽園・偕楽園等、全国各地の庭園も紹介しており、「日本庭園のカテゴリ分け(庭園分類)」に関しても記載しております(更新中あり)ので、下記一覧表をご活用いただき、ご参照頂けますと幸いです。